专利摘要:
本発明は、シチジンアナログの治療有効量を比較的高リスクの骨髄異形成症候群を有する患者に投与することを含む、比較的高リスク骨髄異形成症候群を有する患者を治療する方法を提供する。このシチジンアナログは、5-アザ-2'-デオキシシチジン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン、5-アザ-2'-デオキシ-2'-フルオロシチジン、2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン、シトシン1-β-D-アラビノフラノシド、2(1H)ピリミジンリボシド、2'-シクロシチジン、アラビノフラノシル-5-アザシチジン、ジヒドロ-5-アザシチジン、N4-オクタデシル-シタラビン、及びエライジン酸シタラビンを含む。1
公开号:JP2011505336A
申请号:JP2010532071
申请日:2008-11-03
公开日:2011-02-24
发明作者:シー.エル.ベアクフ;トホマス;バククストロム ジャイ
申请人:セルジーン コーポレイション;
IPC主号:A61K31-7068
专利说明:

[0001] 本出願は、2007年11月1日に出願された米国特許仮出願第60/984,638号;2007年12月6日に出願された第60/992,781号;2008年3月5日に出願された第61/034,093号;2008年8月4日に出願された第61/086,069号;及び、2008年8月21日に出願された第61/090,852号の優先権を主張するものであり;それらの各内容は、それらの全体で引用により本明細書中に組み込まれている。]
[0002] (1.技術分野)
本明細書において、5-アザシチジンを含むが、これに限定されるものではない、シチジンアナログの有効量を含有する組成物を使用する、骨髄異形成症候群("MDS")、例えば比較的高リスクのMDSの治療方法が提供される。同じく、MDSを有するあるクラスの患者の全生存を改善する方法が含まれる。]
背景技術

[0003] (2.背景)
骨髄異形成症候群("MDS")は、造血幹細胞障害の多様な群をいう。MDSは、損なわれた形態及び成熟を伴う細胞性骨髄(骨髄細胞の形態異常(dysmyelopoiesis))、末梢血血球減少、及び無効な血液細胞産生から生じる、急性白血病への進行の可変性のリスクにより特徴づけられる。例えば、「メルクマニュアル953(The Merck Manual 953)」(第17版、1999);Listらの論文、J. Clin. Oncol. 8:1424 (1990)を参照されたい。]
[0004] 初期の造血幹細胞損傷は、細胞毒性化学療法、放射線、ウイルス、化学物質曝露、及び遺伝性素因などであるが、これらに限定されるものではない原因に由来し得る。クローン性変異は骨髄全体で優位であり、正常幹細胞を抑制する。初期MDSにおいて、血球減少の主原因は、増大したプログラムされた細胞死(アポトーシス)である。本疾患が進行しかつ白血病へ移行するにつれて、稀に遺伝子変異が生じ、かつ白血病細胞の増殖は正常骨髄を圧倒する。本疾患の経過は、無痛性疾患として挙動する一部症例と、白血病の急性型へ移行する非常に短い臨床経過を伴う攻撃的に挙動する他の症例では異なる。]
[0005] 血液学者の国際グループである仏国-米国-英国(FAB)共同グループは、MDSを5つの亜群に分類し、それらを急性骨髄性白血病から区別した。例えば「メルクマニュアル954」(第17版、1999);Bennett J. M.らの論文、Ann. Intern. Med. 1985年10月, 103(4): 620-5;及び、Besa E. Cの論文、Med. Clin. North Am. 1992年5月, 76(3): 599-617を参照されたい。これらの患者の骨髄細胞における基礎となる3血球系の異形成性の変化は、全ての亜型において認められる。MDSの病理、ある種のMDS分類システム、並びにMDSの治療及び管理の特有の方法に関する情報は、入手可能である。例えばその全体が引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第7,189,740号(2007年3月13日に発行)を参照されたい。]
[0006] ヌクレオシドアナログは、数十年間ウイルス感染症及び増殖性障害の治療のために、臨床使用されている。ほとんどのヌクレオシドアナログ薬は、代謝拮抗薬として分類される。これらが細胞へ侵入した後、ヌクレオシドアナログは、ヌクレオシド5'-一リン酸、5'-二リン酸、及び5'-三リン酸へうまくリン酸化される。ほとんどの場合において、ヌクレオシド三リン酸は、ポリメラーゼの競合阻害又は修飾されたヌクレオチドのDNA若しくはRNA配列への組み込みのいずれかにより、DNA又はRNAの合成を阻害する化学実体である。ヌクレオシドは、それらの二リン酸としても作用することができる。]
[0007] 5-アザシチジン(アザシチジン及び4-アミノ-1-β-D-リボフラノシル-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オンとしても公知;国立癌化学療法サービスセンター(Nation Service Center)表示NSC-102816;CAS登録番号320-67-2)は、MDS治療に関する米国立癌研究所(NCI)が依頼した臨床試験が進行している。例えば、Kornblithらの論文、J. Clin. Oncol. 20(10): 2441-2452 (2002);Silvermanらの論文、J. Clin. Oncol. 20(10): 2429-2440 (2002)を参照されたい。5-アザシチジンは、分子式C8H12N4O5、相対分子量244.21、及び下記構造を有するものとして定義することができる:]
[0008] アザシチジン(本明細書において5-アザシチジンとも称される)は、ヌクレオシドアナログであり、より詳細には、シチジンアナログである。5-アザシチジンは、その関連した天然のヌクレオシドであるシチジンのアンタゴニストである。5-アザシチジンに加え、デシタビン、すなわち5-アザ-2'-デオキシシチジンは、デシタビンに関連した天然のヌクレオシドであるデオキシシチジンのアンタゴニストである。これらのアナログとそれらの関連した天然のヌクレオシド間の唯一の構造上の違いは、シトシン環の5位における酸素の代わりの窒素の存在である。]
[0009] デオキシシチジンアナログ及びシチジンアナログのクラスの他のメンバーは、アラビノシルシトシン(シタラビン)、2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン(ゲムシタビン)、5-アザ-2'-デオキシシチジン(デシタビン)、2(1H)-ピリミジン-リボシド(ゼブラリン)、2',3'-ジデオキシ-5-フルオロ-3'-チアシチジン(エムトリバ)、N4-ペンチルオキシカルボニル-5'-デオキシ-5-フルオロシチジン(カペシタビン)、2'-シクロシチジン、アラビノフラノシル(arabinofuanosyl)-5-アザシチジン、ジヒドロ-5-アザシチジン、N4-オクタデシル-シタラビン、エライジン酸シタラビン、及びシトシン1-β-D-アラビノフラノシド(ara-C)を含む。]
[0010] 例えば比較的高リスクのMDS患者の生存の増大を提供するより効果的な方法及び組成物が、依然必要とされている。]
[0011] (3.要約)
本明細書において実施態様は、5-アザシチジンを含むが、これに限定されるものではないシチジンアナログの有効量を含有する組成物を使用する、骨髄異形成症候群(MDS)の治療方法を提供する。特定の実施態様は、5-アザシチジンを使用し、比較的高リスクMDSの患者を治療する方法を提供する。特定の実施態様は、例えば比較的高リスクMDSなどの、MDSを有する患者の全生存を改善する方法を提供する。特定の実施態様は、MDSの治療のための代替投薬レジメンを提供する。特定の実施態様は、比較的高リスクMDSの患者のある種の亜群、例えば-7/del(7q)を伴う患者を治療する方法を提供する。特定の実施態様は、急性骨髄性白血病("AML")の高齢患者を治療する方法を提供する。特定の実施態様は、MDS、例えば比較的高リスクのMDSの患者において、ある有害事象("AE")を改善する方法を提供する。特定の実施態様は、特定数のアザシチジン治療サイクルを使用し、MDS、例えば比較的高リスクのMDSを有する患者を治療する方法を提供する。特定の実施態様は、アザシチジンを用い、AMLのWHO判定基準に合致する患者を治療する方法を提供する。特定の実施態様は、MDS、例えば比較的高リスクのMDSの患者における全奏効の予測指標として、完全寛解、部分寛解、血液学的改善及び/又は病状安定性のIWG反応を使用する方法を提供する。特定の実施態様は、支持療法としてのアザシチジンの使用を提供する。特定の実施態様は、MDS、例えば比較的高リスクMDS患者における全生存のバイオマーカーとしてDNA及び/又はRNAメチル化の使用を提供する。]
図面の簡単な説明

[0012] (4.図面の簡単な説明)
図1は、従来型医療レジメン(CCR)と比較した、5-アザシチジンの治療意図に基づく集団(ITT、比較的高リスクMDS患者)における全生存を示すグラフを表す。]
[0013] 図2は、第III相アザシチジン生存試験のための試験デザインを表す。]
[0014] 図3は、従来型医療レジメンと比較した、5-アザシチジンの治療意図に基づく集団(比較的高リスクMDS患者)における全生存を示すグラフを表す。]
[0015] 図4は、予め規定された亜群における全生存に関するハザード比及び95%CIを表す。]
[0016] 図5は、ITT集団におけるAMLへの悪性転換時間を表し、経時的リスクの数を示す。]
[0017] 図6は、アザシチジン群をCCR群と比較する、ITT集団におけるAMLへの悪性転換時間を表し、転換への時間に13.7ヶ月の差を示す。]
[0018] 図7は、多施設ランダム化オープンラベル第II相MDS試験の試験デザインを表す。]
[0019] 図8は、第III相アザシチジン生存試験のITTコホートにおける患者の群化を示すチャートを表す。]
[0020] 図9は、多施設ランダム化オープンラベル第II相試験のITTコホートを表す。]
[0021] 図10は、第II相試験におけるベースライン依存性患者でのRBC輸血非依存性を表す。]
[0022] 図11は、第III相アザシチジン生存試験に関する、治験担当医の予備選択、ランダム化及び患者の素因を表す。]
[0023] 図12は、全生存に関するハザード比及び95%CIを表す:アザシチジン、対、CCR(ITT集団)。]
[0024] 図13は、アザシチジン亜群及びLDAC亜群の全生存を表す。]
[0025] 図14は、75歳を上回る患者における全生存に対する、AZA、対、CCRの効果を表す。]
[0026] 図15は、WHOAML患者における、AZA亜群、対、CCR亜群の全生存を表す。]
[0027] 図16は、メチル化の結果を表す。]
[0028] (5.詳細な説明)
本明細書に提供された実施態様は、シチジンアナログ、例えばアザシチジンによる治療時に従来のスコア化システムにより骨髄異形成症候群(MDS)の比較的高リスク群に階層化された患者集団の改善された生存により測定される、該患者集団に特定の利益を提供する、シチジンアナログ、特に5-アザシチジンを含有する医薬組成物による治療方法である。]
[0029] 従って一実施態様において、有効量のシチジンアナログ含有組成物により、比較的高リスクMDSと診断された患者を治療することを含む、比較的高リスクMDSと診断された患者の治療方法が、本明細書において提供される。]
[0030] 一実施態様において、シチジンアナログは、シチジン又はデオキシシチジンに構造的に関連し、並びにシチジン又はデオキシシチジンの作用を機能的に模倣し及び/又は拮抗する部分を含む。これらのアナログは、本明細書においてシチジン誘導体とも称されてよい。一実施態様において、シチジンアナログは、5-アザ-2'-デオキシシチジン(デシタビン)、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン、5-アザ-2'-デオキシ-2'-フルオロシチジン、2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン(ゲムシタビンとも称される)、又はシトシン1-β-D-アラビノフラノシド(ara-Cとも称される)、2(1H)-ピリミジン-リボシド(ゼブラリンとも称される)、2'-シクロシチジン、アラビノフラノシル-5-アザシチジン、ジヒドロ-5-アザシチジン、N4-オクタデシル-シタラビン、及びエライジン酸シタラビンを含む。一実施態様において、シチジンアナログは、5-アザシチジン及び5-アザ-2'-デオキシシチジンを含む。本明細書において使用されるシチジンアナログの定義は、シチジンアナログ類の混合物も含む。]
[0031] シチジンアナログは、当該技術分野において公知の方法により合成されてよい。一実施態様において、合成方法は、米国特許出願第10/390,526号(米国特許第7,038,038号);米国特許出願第10/390,578号(米国特許第6,887,855号);米国特許出願第11/052615号(米国特許第7,078,518号);米国特許出願第10390530号(米国特許第6,943,249号);及び、米国特許出願第10/823,394号に開示されたような方法を含み、これらは全てそれらの全体が引用により本明細書中に組み込まれている。]
[0032] 一実施態様において、使用されるシチジンアナログの有効量は、治療有効量である。一実施態様において、本明細書に提供された方法において及び経口製剤中で使用されるシチジンアナログの量は、治療有効量、典型的には症状、疾患の全般的経過、又は当該技術分野において公知の他のパラメータに関して、少なくとも患者のサブセットにおいて改善を引き起こすのに十分な量を含む。治療適応症は、本明細書において以下により完全に考察されている。本医薬組成物中のシチジンアナログの治療有効量の正確な量は、患者の年齢、体重、疾患、及び状態に応じて変動するであろう。例えば医薬組成物は、単回又は分割された(2〜3回)一日量として、約10〜150mg/m2(患者の体表面積を基に)又は約0.1〜4mg/kg(患者体重を基に)の1日の用量を提供するための、シチジンアナログの十分量を含有することができる。一実施態様において、用量は、臨床上必要な限りは、28日ごとに1回の、75mg/m2の7日間の皮下投与により提供される。一実施態様において、最大9回又はそれよりも多い28日サイクルが投与される。有効量のシチジンアナログを提供する他の方法は、例えば「結腸-標的化されたシチジンアナログ経口製剤(Colon-Targeted Oral Formulations of Cytidine Analogs)」、米国特許出願第11/849,958号に開示されており、これはその全体が引用により本明細書中に組み込まれている。]
[0033] 血液疾患は、様々な白血病などの、血液細胞の異形成性の変化及び血液学的悪性疾患につながり得る、血液細胞の異常な増殖を含む。血液疾患の例は、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、及び鎌状赤血球貧血を含むが、これらに限定されるものではない。]
[0034] 急性骨髄性白血病(AML)は、成人において生じる急性白血病の最も一般的型である。いくつかの遺伝性の遺伝子障害及び免疫不全状態が、AMLのリスク増大に関係している。これらは、ブルーム症候群、ファンコーニ貧血、リー・フラウメニ症候群家系、毛細血管拡張性運動失調、及びX連鎖無ガンマグロブリン血症などの、ランダムな染色体破壊につながる、DNA安定性の欠損を伴う障害を含む。]
[0035] 急性前骨髄球性白血病(APML)は、AMLの独特の亜群を表している。この亜型は、15;17染色体転座を含む前骨髄球性芽球(promyelocytic blast)により特徴づけられる。この転座は、レチノイン酸受容体及び配列PMLで構成される融合転写産物の発生につながる。]
[0036] 急性リンパ性白血病(ALL)は、様々な亜型により提示された独特な臨床特徴を伴う不均一な疾患である。繰り返す細胞遺伝学的異常は、ALLにおいて明らかにされている。最も一般的な細胞遺伝学的異常は、9;22転座である。結果としてのフィラデルフィア染色体は、その患者の予後不良を表す。]
[0037] 慢性骨髄性白血病(CML)は、多能性幹細胞のクローン性骨髄増殖障害である。CMLは、染色体9及び22の転座に関与し、フィラデルフィア染色体を生じる、特異的染色体異常を特徴としている。電離放射線が、CMLの発症に関連している。]
[0038] 骨髄異形成症候群(MDS)は、骨髄系、赤血球系及び巨核球系の異形成変化を含む1つ以上の造血系の異形成の変化の存在のために、まとめて群別された不均一なクローン性造血幹細胞障害である。これらの変化は、三系統の1つ以上で血球減少を生じる。MDSに罹患した患者は、典型的には、貧血、好中球減少症(感染症)、又は血小板減少症(出血)に関連した合併症を発症する。概してMDS患者の約10%〜約70%が、急性白血病を発症する。MDSは、米国においてほぼ40,000〜50,000名の患者が、欧州において75,000〜85,000名の患者が罹患している。比較的高リスクMDSの患者の大半は、最終的には骨髄不全を経験する。MDS患者の最大50%は、急性骨髄性白血病(AML)へ進行する前に、感染症又は出血などの合併症のために死亡する。MDS患者は、リスクの階層化に応じて、4ヶ月〜5年の生存期間の中央値を有する。比較的高リスク患者は、5〜14ヶ月の生存期間の中央値を有する。本疾患の自然歴を変更しかつ延長された生存期間を提供することは、比較的高リスクのMDSにおける最も重要な治療目標のひとつである。]
[0039] 一実施態様において、MDSは、本明細書に提供された方法により治療される状態であり、以下のMDS亜型を含む:不応性貧血、環状鉄芽球性不応性貧血(好中球減少症又は血小板減少症又は必要な輸血に随伴する場合)、芽球過剰性不応性貧血、移行期芽球過剰性不応性貧血、及び慢性骨髄単球性白血病。別の実施態様において、治療される状態は、比較的高リスクのMDSである。]
[0040] 患者の疾患を「比較的高リスクのMDS」(本明細書において例えば「比較的高-リスクMDS」、「高リスクMDS」及び「高-リスクMDS」などとも称される)として分類する上で、患者の疾患を「比較的高リスクの」MDSとして分類するために、当該技術分野において公知の方法を当業者は使用することができる。このような方法は、例えば本明細書において以下に考察するような、FABシステム、WHOシステム、及びIPSSを含む(例えば、Bennett J.M.の文献、「骨髄異形成症候群(MDS)における分類システムの比較考察(A comparative review of classification systems in myelodysplastics (MDS))」、Semin. Oncol. 2005年8月;32(4補遺5):S3-10;Bennettらの論文、Br. J. Haematol. 1982, 51 :189-99;Harrisらの論文、J. Clin. Oncol., 17(12):3835-49 (1999);Greenbergらの論文、Blood, 89(6):2079-98 (1997)を参照されたい)。そのような評価に関する他の方法は、当業者の知識又は経験の範囲内であり得、本明細書に提供された方法は、そのような当業者の評価を含む。]
[0041] 当業者は経験上、ある疾患因子は、患者の予後−男女患者の長期生存の機会及びAML発症のリスクに影響を及ぼすことが示されていることを知っている。研究者らは、これらの因子を、MDSを病型に分類するために使用する。一実施態様において、MDSを分類するシステムは、仏米英の研究者チームにより開発されたためそう呼ばれる、FABシステムである。FABシステムには、MDSの5病型が存在する。FABシステムは、MDSを分類するために、いくつかの疾患因子を使用する。一つの重要な因子は、骨髄における芽球の割合である(表1)。より高い芽球割合は、より高いAML発症の可能性及びより不良な予後につながっている。MDSの二つのより一般的な病型は、不応性貧血(RA)と環状鉄芽球性不応性貧血(RARS)である。これらは、MDSの重症度の低い病型でもある。これらは、AMLへと転換するリスクがより低い。これらのMDS病型の患者の一部は、ほとんど症状がなく生存でき、かつ長年にわたりほとんど治療の必要がない。]
[0042] 他の型のMDSは、より重症であり及び治療の成功がより困難である傾向がある。MDSの芽球過剰性不応性貧血型(RAEB)及び移行期芽球過剰性不応性貧血型(RAEB-t)も、AMLへ転換するリスクが高い。]
[0043] 表1.FABシステムにおけるMDS病型]
[0044] 別の実施態様において、MDS病型を規定するシステムは、より新しい世界保健機関(WHO)システムであり、これはMDSを8病型に分ける。(例えば、Muller-Beradorffらの論文、Ann. Hematol. 2006年8月, 85(8):502-13を参照されたい)。ある実施態様において、当業者は、MDS病型を決定するために、FABシステム又はWHOシステムのいずれかを使用することができる。]
[0045] 別の実施態様において、個々の予後は、国際予後判定システム(IPSS)を用いて決定される。IPSSリスクスコアは、個人の疾患が、AMLを発症するか、又は生命を脅かし始めるリスクを説明している。医師は、治療計画を立てるために、MDS型と共に、IPSSリスクスコアを使用することができる。IPSSリスクスコアは、患者の予後に影響を及ぼす事がわかっている三因子を基にしている:]
[0046] (1)骨髄中の芽球である細胞の割合、]
[0047] (2)1種、2種又は3種全ての血液細胞型が少ない(血球減少とも称される)かどうか。これらの3種は、赤血球、白血球、及び血小板である、]
[0048] (3)骨髄血液細胞染色体の変化。これは、細胞遺伝学(染色体異常の研究)と称される。これは、核型(それらが異常であるかどうかを示す染色体像)とも称される。]
[0049] 患者は、低リスク、中間リスク-1、中間リスク-2又は高リスクのIPSSリスクスコアを有することができる。医師は、このリスクスコアを用い、治療計画を立てることができる。低リスク疾患の患者は恐らく、ほとんど症状がなく、数年間生存するであろう。この患者は、強力でない治療を必要とするであろう。中間リスク-1、中間リスク-2又は高リスク疾患の患者は恐らく、移植などの侵襲的な治療を受ける場合にのみ生存することができるであろう。]
[0050] 一実施態様において、比較的高リスクの患者は、本明細書に提供された方法により治療される。一実施態様において、比較的高リスクのMDS患者として規定された患者は、その疾患が下記の1種以上のいずれかとして評価された患者を含む:FABに従いRAEB、RAEB-T、若しくはCMML(骨髄芽球10〜29%)、又はIPSSで中間リスク-2若しくは高リスク。]
[0051] 一実施態様において、本明細書に提供された組成物及び方法に関する投薬スケジュールは、例えば、患者の特徴及び病態を理由に調節することができる。至適用量は、治療される病態に応じて決まるであろう。場合によっては投薬スケジュールは、一日量を含み、別の場合には、週、月又は他の時間間隔で選択された日数を含む。一実施態様において、本薬物は、1日2回以上は投与されないであろう。一実施態様において、医薬組成物の投与に関する投薬スケジュールは、それを必要としている患者への毎日の投与を含む。投薬スケジュールは、例えば患者の体内で実質的に同等な治療濃度を維持するように調節された、シチジンアナログの非経口製剤に使用されるものに類似することができる。]
[0052] ある実施態様において、好適なバイオマーカーを、本病態に対する本薬物の効果を評価し、かつ投薬スケジュールの指針を提供するために使用することができる。例えば本明細書の特定の実施態様は、MDSと診断された患者が、該患者の核酸メチル化状態を評価することにより、シチジンアナログによる治療からより大きい利益を得る確率が増大したかどうかを決定する方法を提供する。特定の実施態様において、このシチジンアナログは、アザシチジンである。特定の実施態様において、この核酸は、DNA又はRNAである。特定の実施態様において、より大きい利益は、全般的な生存利益である。特定の実施態様において、本メチル化状態は、1種以上の遺伝子、例えばMDS又はAMLに関連した遺伝子において試験される。具体的実施態様は、ベースラインDNAメチル化レベルが、アザシチジンにより治療されるMDS(例えば比較的高リスクのMDS)患者における全生存に影響を及ぼすかどうかを決定する方法に関与する。具体的実施態様は、遺伝子プロモーターのメチル化レベルが、MDS(例えば比較的高リスクのMDS)患者における全生存に影響を及ぼすかどうかを決定する方法に関与する。]
[0053] 例えば本明細書の具体的実施態様は、遺伝子メチル化の、MDS(例えば比較的高リスクのMDS)患者における延長された生存に対する影響を評価する方法を提供する。特定の実施態様において、そのような評価は、例えばアザシチジンによる治療時に、MDS(例えば比較的高リスクのMDS)患者における全生存を予測するために使用される。特定の実施態様において、そのような評価は、治療方針決定(therapeutic decision-making)のために使用される。具体的実施態様において、そのような治療方針決定は、例えば投薬レジメン、量、及び/又はアザシチジン投与の期間などの、患者の治療を計画するか又は調節することを含む。]
[0054] ある実施態様は、例えば特定の遺伝子におけるメチル化レベルの分析を使用し、アザシチジン治療から全般的な生存利益を得る確率が増大したMDSと診断された個々の患者を同定する方法を提供する。具体的実施態様において、より低いレベルの核酸メチル化は、アザシチジン治療後に改善された全生存を得る確率の増大に関連している。特定の実施態様において、アザシチジン治療後に改善された全生存を得る増大した確率は、少なくとも5%大きい確率、少なくとも10%大きい確率、少なくとも20%大きい確率、少なくとも30%大きい確率、少なくとも40%大きい確率、少なくとも50%大きい確率、少なくとも60%大きい確率、少なくとも70%大きい確率、少なくとも80%大きい確率、少なくとも90%大きい確率、少なくとも100%大きい確率、少なくとも125%大きい確率、少なくとも150%大きい確率、少なくとも175%大きい確率、少なくとも200%大きい確率、少なくとも250%大きい確率、少なくとも300%大きい確率、少なくとも400%大きい確率、又は少なくとも500%大きい確率でアザシチジン治療後に改善された全生存を得る。特定の実施態様において、アザシチジン治療後に改善された全生存を得るより大きい確率は、MDSと診断された患者の特定の比較集団の平均確率と比べて、より大きい確率である。具体的実施態様において、この比較集団は、本明細書に説明されたように、特定の骨髄異形成亜型に分類された患者群である。一実施態様において、この比較集団は、比較的高リスクのMDSを有する患者からなる。特定の実施態様において、この比較集団は、特定のIPSS細胞遺伝学的亜群からなる。]
[0055] 特定の実施態様において、核酸(例えばDNA又はRNA)の過剰メチル化状態は、当該技術分野において公知の任意の方法により決定することができる。ある実施態様において、DNA過剰メチル化状態は、例えば定量的実時間メチル化特異的PCR("qMSP")を使用することにより、MDSと診断された患者の骨髄穿刺液を用い決定することができる。ある実施態様において、このメチル化分析は、ゲノムDNAの亜硫酸水素変換に関与することができる。例えばある実施態様において、DNAの亜硫酸水素処理を使用し、メチル化されないCpG部位はUpGへ変換し、メチル化されたCpG部位を無傷のまま残す。例えばFrommer, M.らの論文、Proc. Natl Acad. Sci USA, 89: 1827-31 (1992)を参照されたい。そのような亜硫酸水素処理に、市販のキットを使用することができる。ある実施態様において、メチル化PCRを促進するために、プライマーは、当該技術分野において公知のようにデザインされ、例えばメチル化状態とは無関係にDNAを増幅する外側プライマー、及び最初のPCRにより増幅された領域内のメチル化配列又は非メチル化配列に結合する入れ子式プライマーである。例えばLiらの論文、Bioinformatics, 18:1427-31 (2002)を参照されたい。ある実施態様において、プローブは、例えばメチル化状態とは無関係に亜硫酸水素処理されたDNAに結合するプローブがデザインされる。ある実施態様において、CpGメチル化は、外側プライマーを使用する、亜硫酸水素処理されたDNAのPCR増幅後に検出される。ある実施態様において、最初のPCR反応からの増幅産物は、メチル化-特異的プライマー又は非メチル化-特異的プライマーを使用する、入れ子式PCR反応のための鋳型として役立つ。ある実施態様において、特定の試料中のメチル化された分子の割合を決定するために、標準曲線が確立される。核酸メチル化(例えば、RNA又はDNAメチル化)を検出する方法は、当該技術分野において公知である。例えば、Laird, P. W.の論文、Nature Rev. Cancer, 3:253-66 (2003);Belinsky, S.A.の論文、Nature Rev. Cancer, 4:1-11 (2004)を参照されたい。]
[0056] ある実施態様において、特定のシチジンアナログによる治療の可能性のある利益による特定のメチル化レベルの影響を評価するために、統計解析が行われる。ある実施態様において、メチル化の全生存に対する影響は、例えばコックス比例ハザードモデル及びカプラン-マイヤー(KM)法を使用し、評価される。]
[0057] ある実施態様において、MDS及び/又はAMLに関連した任意の遺伝子は、患者におけるそのメチル化状態について試験することができる。特定の遺伝子は、CKDN2B(p15)、SOCS1、CDH1(E-カドヘリン)、TP73、及びCTNNA1(α-カテニン)を含むが、これらに限定されるものではない。本明細書に開示された方法における使用に適しているMDS及び/又はAMLに関連した特定の遺伝子は、当該技術分野において公知である。]
[0058] 別の実施態様において、比較的高リスクのMDSと診断された患者を評価し、かつ患者のMDSは比較的高リスクを有すると評価される場合に5-アザシチジンによる治療のために患者を選択することを含む、5-アザシチジンによる治療のためにMDSと診断された患者を選択する方法が提供される。別の実施態様において、比較的高リスクのMDSの患者集団における生存を改善する方法が、本明細書において提供され、この方法は、有効量のシチジンアナログを含有する組成物により、比較的高リスクのMDSと診断された患者の少なくとも1名を治療することを含む。]
[0059] 本明細書のある実施態様は、MDSを治療する方法を提供する。ある実施態様において、これらの方法は、特定の投与量のアザシチジンを、少なくともアザシチジン治療サイクルの特定数で投与することにより、MDS患者の特定期間を超える生存を提供することを含む。特定の実施態様において、意図された生存の特定期間は、例えば、10ヶ月を超えて、11ヶ月を超えて、12ヶ月を超えて、13ヶ月を超えて、14ヶ月を超えて、15ヶ月を超えて、16ヶ月を超えて、17ヶ月を超えて、18ヶ月を超えて、19ヶ月を超えて、又は20ヶ月を超えている。特定の実施態様において、意図された投与されるサイクルの特定数は、例えばアザシチジン治療の少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、又は少なくとも15サイクルである。特定の実施態様において、意図された治療は、例えば28日のうち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14日間投与される。特定の実施態様において、意図された特定のアザシチジン投与量は、例えば少なくとも10mg/日、少なくとも20mg/日、少なくとも30mg/日、少なくとも40mg/日、少なくとも50mg/日、少なくとも55mg/日、少なくとも60mg/日、少なくとも65mg/日、少なくとも70mg/日、少なくとも75mg/日、少なくとも80mg/日、少なくとも85mg/日、少なくとも90mg/日、少なくとも95mg/日、又は少なくとも100mg/日である。特定の実施態様において、この投薬は、例えば皮下的又は経静脈的に行われる。本明細書の一つの特定の実施態様は、アザシチジン治療の少なくとも9サイクルを投与することにより、MDS患者の15ヶ月を超える生存を得る方法を提供する。本明細書の一つの特定の実施態様は、各28日の期間のうち7日間の本治療の投与を提供する。本明細書の一つの特定の実施態様は、皮下的又は経静脈的に75mg/m2の7日間毎日の投薬レジメンを提供する。]
[0060] (6.実施例)
下記実施例は、限定ではなく、例証のために提供される。]
[0061] (6.1 実施例1)
本第III相ランダム化試験は、アザシチジンの比較的高リスクMDS患者における全生存の延長に対する効果を、3種の他の頻繁に使用される従来型医療レジメンと比べ、評価した。]
[0062] 第III相国際多施設共同前向きランダム化並行群間比較試験を実行し、かつ従来型医療レジメン及び最善の支持療法(BSC)と比較し、比較的高リスクのMDS患者における延長された全生存を明らかにした。(本試験は、本明細書において、「AZA-001」試験と称される)。主要試験目的及びエンドポイントは、アザシチジンと従来型医療レジメンを比較する、全生存(OS)であった。副次的目的及びエンドポイントは、急性骨髄性白血病(AML)へ悪性転換する時間、赤血球輸血非依存性、血液学的反応及び改善、IV療法を必要とする感染症、並びに安全性を含んだ。]
[0063] 適格な患者は、IPSSで中間リスク-2又は高リスクとして規定され、並びに改訂FAB判定基準(1×109/L以上の血液単球、1種以上の骨髄細胞株における異形成、10%〜29%の骨髄芽球、及び13×109/L未満の白血球数)を使用し、RAEB、RAEB-T、又は非骨髄増殖性の慢性骨髄単球性白血病(CMML)とFAB-規定された、比較的高リスクのMDSで18歳以上の患者である。患者は、米国東海岸癌臨床研究グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)の全身状態(ECOGPS)0-2、及び平均余命3ヶ月間以上を有した。続発性の療法に関連したMDSを有する患者、先行するアザシチジン治療を受けた患者、又は同種幹細胞移植適格の患者は、除外した。]
[0064] 前記第III相国際多施設共同前向きランダム化並行群間比較試験は、ヘルシンキ宣言を遵守し実行した。患者は全員、書面によるインフォームドコンセントを提出し、かつ本試験は、全ての参加している治験施設の施設内治験審査委員会(IRB)により承認された。本治験への組み入れ及びモニタリングは、施設の治験担当医、及び細胞遺伝学的データの標準化された中央審査により中央の病理審査専門員が行った。独立したデータ安全性監視委員会(DSMB)が、安全性データを審査し、かつ予定された中間解析の盲検化された審査を行った。]
[0065] 患者は、2治療群の一方にランダム化された:アザシチジン+最善の支持療法(BSC)、又は従来型医療レジメン(CCR)+BSC。患者は、アザシチジン又はCCRを受け取るよう、1:1にランダム化された。ランダム化以前に、治験担当医は、比較的高リスクMDS患者に関して3種の従来のCCR群の中で最も好適な1種を予備選択し(年齢、健康状態及び病態、共存症などを基に)、それを後にこれらの患者がCCRにランダム化された場合には受けた。アザシチジンにランダム化された患者は、CCR選択とは無関係に、アザシチジンを受けた。この予備ランダム化工程は、CCR亜群の、関連したアザシチジン治療亜群との有意な比較を可能にするために行った。本治験において、クロスオーバーは不可能であり、かつエリスロポエチン又はダルベポエチンの投与は禁止された。FAB亜型及びIPSSリスク群により階層化された患者によるブロックランダム化を用い、治療にわたる釣り合いのとれた組み入れを確実にした。]
[0066] 本治験の治療相の間、全てのレジメンは、試験終了時、又は再発、疾患進行、許容し難い毒性、若しくはAML(30%以上の骨髄芽球として規定される)への悪性転換に起因した患者の中止まで、継続された。アザシチジンは、28日ごとに(必要ならば細胞株回収まで遅延される)75mg/m2/日で7日間皮下投与され、これは療法の1サイクルを、許容し難い毒性、反応後の再発、若しくは疾患進行のために治療が中止されない限りは、試験終了時まで少なくとも6サイクルにわたり継続された。CCR群は、試験終了又は治療中止まで以下が投与される3治療レジメンからなる:BSC単独(好中球減少性感染症のためのG-CSFを伴う、血液製剤輸血、抗生物質を含む);低用量ara-C(LDara-C):28〜42日ごとに(必要ならば細胞株回収まで遅延される)20mg/m2/日が皮下的に14日間が、少なくとも4サイクル;又は、集中化学療法、すなわち、継続的経静脈的輸注によりara-C 100〜200mg/m2/日を7日間、それに加えて経静脈的ダウノルビシン(45〜60mg/m2/日)、イダルビシン(9〜12mg/m2/日)、若しくはミトキサントロン(8〜12mg/m2/日)を3日間導入。導入後完全寛解又は部分寛解をした患者(AMLに関してIWG判定基準により規定された、例えばJ. Clin. Oncol., 21(24):4642-9 (2003)参照)は、導入のために使用された細胞毒性物質の用量減量、それに続くBSC単独による地固めコースを1〜2回受けた。全ての患者は、必要に応じBSCを受け取ることができた。治療中止後、全ての患者は、死亡又は治験終了まで経過観察された(最後の患者はランダム化後12ヶ月)。図2は、本試験デザインを示す。]
[0067] 全ての有効性解析は、治療意図に基づく(ITT)集団を使用した。安全性解析は、安全性集団(治験薬の少なくとも1用量を受け取りかつ1回以上の投与後安全性評価を受けた全ての患者)について行った。主要治験エンドポイントは、アザシチジン群及びCCR群を比較するITT群に関して分析され、並びに年齢、性別、FAB、IPSS(中間リスク-2、高リスク)、IPSS細胞遺伝学(良好、中間、及び不良)及び-7/del(7q)細胞遺伝学的異常、IPSS血球減少(0/1及び2/3)、WHO分類、核型、及び乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)を基に予め規定された亜群に関して分析された、全生存(ランダム化から何らかの原因による死亡までの時間)であった。全生存の主要評価は、ITT集団を使用し、アザシチジンを合算した(combined)CCR群と比較した。二次解析は、アザシチジン亜群(アザシチジンにランダム化された患者の3種のCCR亜群)の全生存を対応するCCR亜群(CCRにランダム化された対応するCCR亜群の患者)のそれと比較した。]
[0068] 副次的有効性エンドポイントは、AMLへの悪性転換(ランダム化からAML悪性転換[骨髄芽球カウントが30%以上]まで)、血液学的反応及びMDSに関するIWG2000判定基準を使用した評価の改善(例えば、Chesonらの論文、Blood, 96(12): 3671-4 (2000)参照)、赤血球(RBC)輸血非依存性(連続56日間輸血せず)、経静脈的抗微生物薬を必要とする感染症(ランダム化から最終試験来院後28日まで分析)、及び有害事象であった。骨髄試料は、活性治療の間16週毎に、及び経過観察時に臨床上指示されたように収集した。経静脈的抗微生物薬を必要とする感染症は、ランダム化から最終試験来院までカウントした。有害事象は、米国立癌研究所(NCI)の共通毒性基準(CTC)Ver.2.0を用いて評価した。]
[0069] 事象までの時間は、カプラン-マイヤー法を用いて試験した;治療比較は、層化ログランク検定及びコックス比例ハザードモデルを用いて行った。全ての統計学的検定は、多重検定のための補正を除き両側であった。]
[0070] 有効性解析は、ITT原則に従いランダム化された全ての患者を含んだ。全生存は、ランダム化から何らかの原因による死亡までの時間として定義された。死亡が観察されなかった患者は、最終経過観察時に打ち切った。AMLへの悪性転換の時間は、ランダム化から、30%以上の骨髄芽球の発生までを測定した。AML悪性転換が観察されなかった患者は、最終の適切な骨髄採取の時点で打ち切った。ランダム化及び解析は、FAB亜型及びIPSSリスク群について階層化した。時間対事象曲線は、カプラン-マイヤー法に従い推定し(例えばKaplanらの論文、J. Am. Stat. Assoc., 53;457-81 (1958)参照)、かつ層化ログランク検定(一次解析)を用いて比較した。層化コックス比例ハザード回帰モデル(例えばCoxの論文、J. Royal Stat. Soc. B, 34: 184-92 (1972)参照)を使用し、ハザード比、及び相関された95%信頼区間(CI)を推定した。アザシチジン群と合算したCCR群の間の全生存の一次解析は、共変量調整を伴わずに、層化コックス比例ハザードモデルを使用し、ハザード比を推定した。逐次選択を伴うコックス比例ハザード回帰は、性別、年齢、最初のMDS診断からの時間、ECOG全身状態、RBC輸血回数、血小板輸血回数、ヘモグロビン、血小板、絶対好中球の数、LDH、骨髄芽球の割合、及び細胞遺伝学的-7/del(7q)異常の有無のベースライン変数を評価するために使用した。最終モデルは、ECOG全身状態、LDH、ヘモグロビン、RBC輸血の回数、及び細胞遺伝学的-7/del(7q)異常の有無を含んだ。二次解析は、最終コックス比例ハザードモデルを使用した。亜群にわたる治療効果の一致性は、治療、亜群及び治療-毎-亜群の相互作用を伴うフルモデルと、この相互作用を伴わない縮約モデルの間の尤度比の差により評価した。]
[0071] 奏効率(全奏効、輸血非依存性、及び血液学的改善)は、フィッシャーの正確検定を用い、アザシチジン群とCCR群の間で比較した。経静脈的抗微生物薬を必要とする感染症の割合は、(観察された経静脈的抗微生物薬を必要とする感染症の数)/(経過観察の患者-年数の総数)により、コンピュータで算出した。相対リスクは、アザシチジン率をCCR率で除算することによりコンピュータで算出した。これらの4層にわたる相対リスクは、Breslow-Day検定を用い、均一性について試験した(例えば、Breslowらの文献、第3章:曝露群間比較(Comparisons Among Exposure Groups)、Heseltine E.編集、「癌研究の統計学的方法(Statistical Methodsin Cancer Research)」第II巻「コホート研究のデザインと解析(The Design and Analysis of Cohort Studies」、Lyon: IARC Scientific Publications; 1987:82-119参照)。共通相対リスクのマンテル-ヘンツェル推定、相関のある95%CI、及び一元性(unity)と等しい検定を、コンピュータで算出した(例えばMantelの論文、Cancer Chemotherapy Reports, 50(3): 163-70 (1966)参照)。本試験は、両側α0.05でCCR群と比較しアザシチジン群で全生存に関するハザード比0.60を検出するために−ログランク解析を基に−検出力90%でデザインした。本プロトコールでは、ほぼ354名の患者が、18ヶ月間にわたりランダム化され、その後治療及び経過観察で少なくとも12ヶ月間モニタリングされ、結果的にこの30ヶ月の治験期間に少なくとも167名が死亡したことを特定した。しかし募集は、42ヶ月間続くより長い試験期間を必要とし、この間195名が死亡し、本試験のデザイン前提の下で検出力95%を生じた。この中間解析は、全体のαを0.05に制御するために、オブライエン-フレミングモニタリング境界及びラン-デーメッツα消費関数を用いて行った(例えば、Lanらの論文、Biometrika, 70(3):659-63 (1983)参照)。]
[0072] 79施設で358名の患者(ITT集団、98%白人、70%男性)を、以下のようにランダム化した:179名はアザシチジン、及び179名はCCR(105名はBSC 59%、49名はLDara-C 27%、及び25名は集中化学療法14%、図8及び11)。年齢の中央値は、69歳(範囲:38〜88)であり、258名(72%)の患者は、65歳以上であった。ベースライン時の人口統計学的特徴及び疾患特徴は、アザシチジンと合算したCCRの間、及びアザシチジンと3種のCCRレジメンの間で、よく釣り合いがとれていた(表2A及び2B)。予想されたように、集中化学療法群の患者の方が若かった。ベースライン時に、患者の95%は比較的高リスクであった:RAEB(58%)、RAEB-T(34%)、CMML(3%)、及びその他(5%)。IPSSにより、87%は比較的高リスクであった:中間リスク-2(41%)、高リスク(47%)、及び中間/その他13%。加えて患者の32%は、WHO式AML(骨髄芽球カウント20%〜30%)として分類された。IRC審査時に、アザシチジン群及びCCR群の各々10名及び5名の患者は、MDS以外の状態のために、過去に放射線療法、化学療法、又は細胞毒性療法を受けており、これらはプロトコール逸脱を構成した。アザシチジンは、中央値9サイクル(範囲:1〜39)の間投与され、患者の86%は、用量調節せずに本試験を通じて75mg/m2/日であり続けた。アザシチジンサイクルの長さの中央値は、34日(範囲:15〜92)であった。LDara-Cは、中央値4.5サイクル(範囲:1〜15)で、BSC単独患者は中央値7サイクル(範囲:1〜26、6.2ヶ月)で、及び集中化学療法は1サイクル(範囲:1〜3、すなわち導入と、シタラビン及びアントラサイクリンによる地固めサイクル1又は2回)であった。全生存解析に関する経過観察の中央値は、21.1ヶ月であった。全般的解析(ITT):AZA(N=179)、対、CCR(N=179)。CCR治療選択による解析:AZA(N=117)、対、BSC(n=105);AZA(N=45)、対、LD Ara-C(N=49);AZA(N=17)、対、集中化学療法(N=25)。アザシチジン群の患者4名及びCCR群の14名は、それを受け取らなかったが、全生存について経過観察し、ITT解析に含んだ。患者8名は、治療後移植へと進み(アザシチジン群4名及びCCR群4名:BSC[n=2]、LDara-C[n=1]、集中化学療法[n=1])、同じくITT解析に含んだ。]
[0073] (全生存)]
[0074] アザシチジンは、従来型医療レジメンに対し、統計学的に優れた全生存を示した。経過観察の中央値21.1ヶ月(範囲:0〜38.4)の後、全生存のカプラン-マイヤー中央値は、CCR群における15ヶ月と比べ、アザシチジン群において24.4ヶ月であり、その差は9.4ヶ月であった(層化ログランクp=0.0001)(図1及び3)。ハザード比(コックスモデル)は0.58(95%CI:0.43-0.77)であり、これはアザシチジン群における死亡リスクの42%の低下及び74%の全生存の優位を示した(図4及び12)。2年時点で、CCR群の26%(95%CI:18.7-34.3)と比べ、アザシチジン群の患者の50.8%(95%CI:42.1-58.8)が生存していた(p<0.0001)。およそ100日(約3ヶ月)後、アザシチジン患者の78%(140/179)が、療法の3サイクルを完了し、これらのアザシチジン群及びCCR群に関するカプラン-マイヤー曲線は、本治験の残り(remainder)から分離された。]
[0075] 予め規定された患者亜群(年齢、性別、FAB分類、IPSS、WHO分類、核型及びLDHを基に)の結果も、アザシチジン群に関する一貫した全般的な生存利益を示した(図1及び3)。特にIPSS細胞遺伝学的亜群は、CCR群に対しアザシチジン群が好ましい、全生存の有意差を示した(ハザード比;ログランクp):不良、11.2ヶ月(0.52、p=0.011);中間、9.3ヶ月(0.43、p=0.017);及び、良好、中央値に達せず(0.62、ログランクp=0.038)。-7/del(7q)の患者において、全生存のカプラン-マイヤー中央値は、CCR群4.6ヶ月(95%CI、3.5-6.7)(n=27)と比べ、アザシチジン群で13.1ヶ月(95%CI、9.9-24.5)(n=30)であった(層化ログランクp=0.002、ハザード比0.33(95%CI、0.16-0.68)。加えて、先のITT解析に含まれた8名の移植患者の影響を調べる感度解析は、アザシチジンに関する全生存結果の有意性に影響しなかった。]
[0076] アザシチジンの生存的利益は、CCR治療の選択肢とは関わりなく、一貫していた。アザシチジン亜群とBSC、LDara-C、及び集中化学療法のCCR亜群の間の、全生存の中央値における差異(ハザード比;ログランクp)は、各々、9.6ヶ月(0.58;p=0.005)、9.2ヶ月(0.36;p=0.0006)、及び9.4ヶ月(0.76、95%CI:0.33-1.74)であった(表3A)。一次全生存比較(アザシチジン、対、CCR)と同様に、治験担当医が予備選択した亜群の全生存解析の結果は、アザシチジン(n=117)とBSC(n=105)の間(p=0.005)、及びアザシチジン(n=45)とLDara-C(n=49)の間(p=0.0006)で、有意差を示した。しかしアザシチジン(n=17)と集中化学療法(n=25)の間の比較における差異は、有意ではなかった(0.51)(表3A)。]
[0077] CCRと比べアザシチジンで観察された全生存の有意な延長は、完全寛解の達成に左右されなかった(HR=O.39[95%CI:0.14-1.15]、ログランクp=0.078)。血液学的改善、部分寛解、又は完全寛解の達成は、アザシチジン治療による全生存の改善に寄与していたが、必要とはされていなかった。]
[0078] 今日まで、アザシチジンは、従来型医療レジメンと比べ、MDSにおける生存利益を示すただひとつの物質であり、かつ癌における生存利益を示す唯一の後成的修飾因子である。本明細書において説明された試験は、比較的高リスクのMDSにおいてこれまでに実行された最大規模の試験を明らかにしている。最も進行したMDS患者の生存における有意な改善を示しているこれらの結果は、利益的なアザシチジンは、本疾患治療をもたらすことができることを示した。アザシチジンは、MDS患者に輸血非依存性の利益をもたらし、全般的生活の質を向上することを示した初期の臨床試験からの確立されたデータを足場に、本試験は、アザシチジンは、患者の生活を改善するだけではなく、更に生命を延長することを示した。]
[0079] (副次的有効性エンドポイント)]
[0080] 赤血球輸血非依存性、血液学的寛解、及び血液学的改善も、アザシチジンにより、合算した従来型医療レジメンと比べ、有意に増大された。アザシチジンは、忍容性が良好であった。]
[0081] (AML悪性転換への時間)]
[0082] 本治験全体にわたり評価されたAMLへの悪性転換又は死亡までの時間の中央値は、CCR群における7.6ヶ月(95%CI:5.4-9.8)と比べ、アザシチジン群において13.0ヶ月(95%CI:9.9-15.0)であった(ハザード比:0.68、ログランクp<0.003)。]
[0083] AML悪性転換までの時間は、治療期間中、中央値でCCR群12.4ヶ月(95%CI:10.4-15.4)に比べ、アザシチジン群において26.1ヶ月(95%CI:15.0-28.7)で評価した(ログランクp=0.004、図5及び6)。]
[0084] AML悪性転換への時間の中央値は、CCR群における11.5ヶ月(95%CI、8.3-14.5)と比べ、アザシチジン群において17.8ヶ月(95%CI、13.6-23.6)であった(ハザード比、0.50(95%CI、0.35-0.70)、ログランクp<0.0001)。]
[0085] (血液学的奏効率及び改善率)]
[0086] 完全及び部分寛解率は、CCR群よりも、アザシチジン群において有意に高かった(表3B)。治験担当医の予備選択解析を用い、寛解率は、BSC又はLDara-Cのいずれかと比べ、概してアザシチジンが有意に高かったが、アザシチジンを集中化学療法と比較した場合には、寛解率の有意差は認められなかった(表3C)。疾患進行、完全若しくは部分寛解後の再発、又は死亡までの時間は、アザシチジン群(中央値14.1ヶ月)の方が、CCR群(中央値8.8ヶ月)よりも有意に長かった(ログランクP=0.047)。赤血球及び血小板の改善率は、CCR群と比べ、アザシチジン群の方が有意に高かった(表3B)。主要な赤血球改善は、アザシチジン群、対、CCR群の患者で、各々、39.5%(157中62)、対、10.6%(160中17)で認められた(p<0.0001)。主要な血小板改善は、アザシチジン群、対、CCR群の患者で、各々、32.6%(141中46)、対、14%(129中18)で認められた(p=0.0003)。主要な好中球改善に関する有意差は、群間で認められなかった。血液学的改善の期間は、アザシチジン群(中央値13.6ヶ月、95%CI:10.1-16.3)の方が、CCR群(中央値5.2ヶ月、95%CI:4.1-9.7)よりも有意に長かった(P=0.0002)。アザシチジン群のベースライン時RBC輸血依存性患者111名中50名(45%、95%CI:35.6-54.8)は、CCR群の114名中13名(11.4%、95%CI:6.2-18.7)と比べ、輸血非依存性となり始めた(P<0.0001)。]
[0087] 全般的に、アザシチジン群の患者179名中51名(28.5%)が、CCR群の179名中21名(11.7%)と比べ、完全+部分寛解に到達し(p=0.0001)、CCR群はBSC、LDara-C、及び集中化学療法亜群の、各々、105名中5名(5%)、49名中6名(12.2%)、及び25名中10名(40%)を含んだ。アザシチジン群及びCCR群の患者、各々、17%(179中30)及び8%(179中14)は、完全寛解を有した(p=0.02)。何らかの血液学的改善を示す患者の割合は、CCR群(178中51、28.7%)と比べ、アザシチジン群(177中87、49.2%)において、有意に高かった(p<0.0001)。]
[0088] (輸血非依存性)]
[0089] アザシチジン群の患者の45%(95%CI:35.6-54.8)は、CCR群の11.4%(95%CI:6.2-18.7)と比べ、ベースライン時のRBC輸血依存性の後、非依存性となり始めた(p=0.0001)。血小板輸血に対する効果は、アザシチジン群とCCR群の間の有意差は示さず、これは恐らくアザシチジン群(n=38)及びCCR群(n=27)のベースライン時血小板輸血依存性の患者の数が小さかったためであろう。]
[0090] (経静脈的抗微生物薬を必要とする感染症)]
[0091] アザシチジン群の1年間に患者1名につき経静脈的抗微生物薬を必要とする感染症の割合は、0.60(95%CI:0.49-0.73)であり、CCR群の0.92(95%CI:0.74-1.13)と比べ、これは34%の減少を示した(ハザード比、0.66、95%CI:0.49-0.87、P=0.003)。治験担当医の予備選択解析を用い、1年間に患者1名についての割合は、アザシチジン(0.66)とBSC(0.61)を比較した場合には、類似していた(ハザード比:1.1、95%CI:0.74-1.65、P=0.68)が、アザシチジン(0.44)をLDara-C(1.00)と比較した場合(ハザード比:0.44、95%CI:0.25-0.86、P=0.017)、又はアザシチジン(0.64)対集中化学療法(2.30)では(ハザード比:0.28、95%CI:0.13-0.60)有意に低かった(P=0.0006)。]
[0092] (安全性)]
[0093] 有害事象による治験終了前の中止は、CCR群の患者(7.3%)と比べ、アザシチジン群の患者の12.6%で認められた。CCR群の2種の活性治療は、アザシチジンと同様の割合を示したが、BSCは、有害事象による中止の割合がはるかに低かった(3.9%)。最も頻繁に観察された治療に関連した有害事象(グレード3-4の事象を含む)は、全ての治療にわたり頻繁に観察された末梢血血球減少であり、これはアザシチジン群において4.6%及びCCR群において2.4%の治験終了以前の中止につながった。最も一般的な治療に関連した非-血液学的有害事象は、アザシチジンによる注射部位の反応、並びにアザシチジン、LDara-C、及び集中化学療法による悪心、吐気、疲労、及び下痢を含んだ(表3D及び3E)。治療の最初の3サイクル時に、アザシチジン群の患者14名(8%)及びCCR群の25名(14%)において死亡例が生じた。どちらの群においても最も一般的な死因は、基礎疾患、血小板減少症、敗血症/感染症、出血、及び呼吸器合併症に関連していた。AMLへの悪性転換も、治療の最初の3サイクル時の死因であったが、これはCCR群においてのみ観察された。最初の3サイクル時に治療に関連していると考えられる死亡例は、アザシチジン群の患者4名(敗血性ショック、脳出血、吐血、気道感染症)及びCCR群(LDara-Cを受ける)の患者1名(脳虚血)において認められた。]
[0094] 比較的高リスクMDS集団において、最も頻繁に認められた治療に関連した有害事象(グレード3及び4の事象を含む)は、全ての治療にわたり頻繁に観察された血液の血球減少であり、これはアザシチジン、LDara-C、及びBSC治療群における、各々、4.6%、4.5%、及び2%の患者の早期離脱につながった(表3F)。]
[0095] 最も一般的な治療に関連した非-血液学的有害事象は、アザシチジンによる注射部位の反応、並びにアザシチジン、低用量ara-C、及び集中化学療法治療群にわたる悪心、吐気、疲労、及び下痢を含んだ。治療及び経過観察時に、アザシチジン群の患者の45%、並びにBSC、LDara-C、及び集中化学療法亜群の患者の、各々、62%、59%、及び79%の死亡が報告された。主な死因は、感染症及びAML(>30%芽球)であった。]
[0096] (考察)]
[0097] 前述の第III相ランダム化比較対照試験の結果は、アザシチジンは、比較的高リスクMDS患者において全生存を延長する第一の薬物治療であることを示した。同種幹細胞移植は、MDSを治癒する可能性があるが、その使用は、比較的高い年齢、ドナー不足、及び移植に関連した死亡率の上昇により限定されている。アザシチジンをBSCと比較する先行するランダム化第III相CALGB試験(例えば、J. Clin. Oncol., 20(10): 2429-40 (2002)参照)において、アザシチジン群は、BSCに勝る改善された全生存の傾向を示した。この知見は恐らく、不均一な患者集団及びクロスオーバー試験デザインにより限定され、BSC患者の51%は引き続きアザシチジンを受けている。このCALGB試験の知見は、多くの臨床医により比較的高リスクMDSにおける集中治療として認められない治療であるBSCの使用によっても低められた。]
[0098] クロスオーバーは、本試験においては許可されなかった。本試験は、比較的高リスクMDSの患者のみを含んだ。加えて本試験は、比較的高リスクMDSに関して、アザシチジンを、2種の活性治療(LDara-C、又は集中化学療法)を含む、3種の頻繁に使用される治療(LDara-C、集中化学療法、又はBSC)と比較した。これらの3種のレジメンの使用に関する現時点の合意は存在しないので、それらの患者の割り付けは、患者の年齢、全身状態、共存症の存在、及び個人的選択を基に、治験担当医により行われた。]
[0099] 本試験における全生存は、CCR群を上回りアザシチジン群で9.4ヶ月の優位を示し、これは42%の死亡リスクの低下に相当していた。この全般的な生存利益のロバストネスは、CCR群患者に比べ2年時点で生存しているアザシチジン群患者のほぼ2倍より高い割合において更に示された。一次ITT解析におけるアザシチジンによるこの全生存の優位は、アザシチジン群と3種のCCR亜群の間で、生存期間の中央値の差が9.2ヶ月〜9.6ヶ月の範囲である二次的治験担当医の選択解析を用いて認められるものに高度に類似していた。]
[0100] 有意な生存利益の開始は、本試験の初期に生じ、アザシチジン群及びCCR群に関するカプラン-マイヤー曲線は、3よりも多いサイクルの治療を完了したアザシチジン群の患者のほぼ80%で約3ヶ月で永久に分離している。年齢、性別、FAB及びWHO分類、核型、並びにLDHに関する亜群解析において得られた結果は、ITT集団において実現された全生存の結果のロバストネスを確認した。アザシチジン群における生存利点は、IPSS細胞遺伝学的リスク群(好ましい、中間、及び不良)に関わりなく維持され、異常な核型としての重要な知見は、MDSにおいて頻繁な知見であり、かつより悪い結末の強力な予後因子である。]
[0101] 副次的有効性エンドポイントにおける知見は、アザシチジン群において明らかにされた全生存優位を裏付けている。アザシチジン治療は、AML悪性転換又は死亡までの時間、並びにAMLへ悪性転換する時間を、CCRと比べ有意に延長した。完全又は部分寛解及び大半の赤血球の血液学的改善を含む、有意に高いIWG-規定された奏効率が、アザシチジン群において、CCR群と比べ認められた。アザシチジン群において認められた優れた奏効率は、LDara-C及びBSC亜群における顕著に低い割合により駆動された。小さい集中化学療法亜群における奏効率は、アザシチジン群において認められるものよりも高かった。寛解率及び血液学的改善率も、アザシチジン群の方がCCR群よりもより長く持続した。]
[0102] ベースライン時依存性後のRBC輸血非依存性は、アザシチジン群において、CCR群よりも有意に高く、これは輸血依存性は、MDSの悪い結末の重要なマーカーであることが示された重要な知見であった。血小板輸血非依存性に関してアザシチジン群とCCR群の間で差異は認められず、これは恐らくベースライン時に依存性の患者数が少ないためであろう。加えてアザシチジン治療は、CCR群と比べ、好中球改善した患者の割合の増加に関連していなかったが、経静脈的抗微生物薬を必要とする感染症のリスクの33%の低下が、アザシチジン群において認められた。]
[0103] グレード3及び4の好中球減少症が、アザシチジン群において、BSC亜群よりもより頻繁に認められ、かつLDara-C亜群又は集中化学療法亜群と比べ同様の割合であった。血小板減少症も、アザシチジンにより、BSCよりもより一般的に認められたが、LDara-C及び集中化学療法よりも頻度は少なかった。しかしBSCと比べ、アザシチジンによる血小板減少症及び好中球減少症のより高い頻度が認められたにもかかわらず、出血及び感染症の全般的な発生は、両方の治療で類似していた。]
[0104] アザシチジン群において、BSC亜群よりもより一般的に報告された、注射部位反応、悪心、及び吐気などの非血液学的有害事象は、重症度が大部分はグレード1-2であり、アザシチジン治療により観察された良く認められた事象であり、かつ患者に療法中止は引き起こさなかった。一般に、注射部位反応は、注射部位を変更し、かつ注射後15分間冷又は温圧迫することにより、容易に管理された。]
[0105] これらの結果は、MDSの治療における全般的な生存利益の最初の知見を示した。有意により長い全生存が、アザシチジン治療により、比較的高リスクMDSの患者の治療に通常使用される他の3種で構成されたCCR群と比べ、明確に示された。全生存優位は、CCRレジメン(BSC、LDara-C、又は集中化学療法)に関わりなく、並びに良好な、中間、又は不良なIPSS細胞遺伝学的リスクとは無関係に、示された。全般的な生存利益を示す結果は、中央値9サイクルでもたらされたアザシチジンにより示され、AML悪性転換までの時間の有意な延長、更には輸血非依存性、完全及び部分寛解、並びに大きい血液学的改善の増加により裏付けられた。輸血非依存性及び血液学的改善における有意な増加は、漸減する血球減少が、それらの致命的合併症のリスクを低下し、その結果MDSの自然な疾患経過を変更することを特に示唆している。これらの知見は、比較的高リスクのMDSにおける参照治療としてアザシチジンを強力に確立したのに対し、より新規の治療は、これらの患者の今後の治験と比較されるか又は組合せられるであろう。]
[0106] 表2A:ベースライン時の人口統計学的背景



*アザシチジン群及びCCR群の患者の、各々、他の3.9%及び4.5%は、骨髄増殖性疾患を有するか、又は疾患は決定されなかった。
†アザシチジン群及びCCR群の患者の、各々、他の8.9%及び6.2%は、IPSSに適用不可能な疾患を有するか、又は決定されなかった。]
[0107] ]
[0108] ]
[0109] ]
[0110] ]
[0111] 表3D:早期中止の理由及びグレード3-4血液学的毒性



*ITT集団
†中止の主因のみ示されている
‡安全性集団]
[0112] ]
[0113] 表3F:グレード3-4血液学的毒性]
[0114] (6.2 実施例2)
アザシチジン(AZA)は、MDS治療に関して承認された最初の薬物である。28日ごとに7日間の75mg/m2/日の皮下的(SC)又は経静脈的(IV)の有効性及び安全性が確立されている。輸液負荷は、高リスク及び低リスクMDSの構成要素であり;輸血依存性の低下は、生活の質(QOL)を向上させることができる。]
[0115] 現在承認されたAZAレジメンは、28日ごとに7日間の75mg/m2/日を皮下的(SC)又は経静脈的(IV)にである。前臨床データが示唆した代替投薬レジメンは、先行する試験において認められたものと一致する結果を提供することができる。週末投薬の必要性をなくす代替投薬レジメンは、患者及び臨床医にとってより都合がよいであろう。この目的のために、28-日間サイクルで投与される3種の代替投薬レジメンが、MDS患者におけるそれらの相対有効性を決定するために選択された:]
[0116] 1)AZA 5-2-2:本レジメンは、現在承認された7-日間の投薬レジメンに2-日間の治療休止を挿入する(1サイクル当たりの総累積投与量525mg/m2)。]
[0117] 2)AZA 5-2-5:本レジメンは、より少ない一日量(50mg/m2)及び1サイクル当たりのわずかに低い累積投与量(500mg/m2)を伴う、より長い投与(真ん中に2-日間の治療休止を伴う、5-日間のAZAコースが2回)である。]
[0118] 3)AZA 5:本レジメンは、現在承認された一日量75mg/m2のより短い投与(5日間)を必要とし、結果的に1サイクル当たりの全体でより少ない累積投与量(375mg/m)である。]
[0119] 本試験は、6サイクルで投与された、これら3種の代替AZA投薬戦略の安全性及び有効性を評価した。継続療法が、AZA利益を改善するか又は持続することができるかどうかを決定するために、6サイクル後、患者は、本試験の維持治療相においてAZAを受け取ることを継続することができる(図7)。]
[0120] この第II相多施設共同ランダム化オープンラベル試験は、3つの治療アームで構成される(図7)。患者は、6治療サイクルについて28-日サイクルで投与される3種の代替投薬スケジュールの1種にランダム化された:]
[0121] 1)AZA 5-2-2:アザシチジン75mg/m2/日をSC×5日間、それに続く無治療2日間、それに続くアザシチジン75mg/m2/日をSC×2日間、]
[0122] 2)AZA 5-2-5:アザシチジン50mg/m2/日をSC×5日間、それに続く無治療2日間、それに続くアザシチジン50mg/m2/日をSC×5日間、]
[0123] 3)AZA 5:アザシチジン75mg/m2/日をSC×5日間。]
[0124] 少なくとも2サイクル後、患者が反応せず、MDSに関するIWG 2000判定基準に従い治療失敗又は疾患進行と規定された場合(芽球の≧50%増加、顆粒球又は血小板の最大奏効レベルから≧50%の低下、ヘモグロビンの≧2g/dLの低下、又は輸血非依存性)には、AZA用量を増加することができる。逆にこの用量は、血液学的回復及び有害事象を基に減少することができる。]
[0125] エリスロポエチン(EPO)は、AZAによる治療前4週間にわたりEPOの安定した用量を服用した患者において許された。一旦AZA治療が開始されたならば、EPOは開始することはできない。骨髄増殖因子は、好中球減少性感染症の治療のために許可された。それらの使用は、発熱エピソード消散の4日以内に停止された。AZAに対する反応は、骨髄増殖因子の最終投与から3週間以上経過するまで、評価しなかった。]
[0126] FAB分類判定基準により規定されたRA、RARS、RAEB、RAEB-T、又はCMMLであり、かつ平均余命≧7ヶ月と診断された、18歳以上の男性及び女性のMDS患者が含まれた。RA又はRARS患者は、下記の判定基準の少なくとも1つに合致した:]
[0127] 1)濃厚RBC輸血を必要とする、ヘモグロビン<110g/L;]
[0128] 2)血小板カウント<100×109/Lである、血小板減少症;]
[0129] 3)絶対好中球カウント(ANC)<1.5×109/Lである、好中球減少症。]
[0130] 患者は、ECOG全身状態のグレード0-3を有した。加えて、臨床検査スクリーニング時に、血清ビリルビンレベル≦1.5×正常上限(ULN)範囲;SGOT又はSGPTレベル≦2×ULN;及び、血清クレアチニンレベル≦1.5×ULNが必要であった。寛解後骨髄移植又は幹細胞移植に進む見込みがないと判断される患者のみ、登録された。]
[0131] 患者は、続発性MDS、AMLの病歴又は他の悪性疾患を有する場合には、除外された。同じく、補正されない(uncorrected)赤血球葉酸欠乏症又はビタミンB12欠乏症の患者も除外された。]
[0132] 全ての患者は、本試験参加前に書面によるインフォームドコンセントを提出し、本試験プロトコールは、適切な施設内治験審査委員会(IRB)により承認された。]
[0133] AZAを受けた全ての患者(治療意図に基づく[ITT]コホート)は、安全性に関して評価可能であった。患者は、56日間以上のAZA治療が完了した場合に、IWG 2000判定基準により、有効性について評価した。]
[0134] 有効性は、以下のようなIWG-規定された血液学的改善(HI)の割合として測定した:赤血球:(major)大:ベースライン時にヘモグロビン<11g/dLである場合に、>2g/dLの増加、又はRBC輸血依存性患者について輸血非依存性;小(minor):ベースライン時にヘモグロビン<11g/dLである場合に、1〜2g/dLの増加、又はRBC輸血依存性患者について輸血必要性の50%の低下。血小板:大:治療前の血小板<100,000/mm3である場合に、≧30,000/mm3の増加、又は血小板輸血依存性患者について輸血非依存性;小:ベースライン時に<100,000/mm3である場合に、≧50%の増加(>10,000/mm3であるが、<30,000/mm3)。好中球:大:治療前の<1500/mm3である場合に、≧100%の増加、又は絶対増加>500/mm3(いずれか大きい方);並びに、小:治療前に<1500/mm3である場合に、≧100%の増加であるが、<500/mm3。]
[0135] 加えて、ベースライン時に輸血依存性又は非依存性であった患者において、輸血なし期間56日以上として規定された、輸血非依存性の割合を評価した。]
[0136] HIを達成した患者に関する数、割合、及び95%信頼区間(95%CI)を、評価可能な患者集団及びFAB-規定された低リスク(RA及びRARS)患者についてまとめた。HI割合は、フィッシャーの正確検定を用い、3種の代替投薬スケジュール間で比較した。AZA治療サイクルによるHIの開始は、記述的に報告した。]
[0137] 輸血非依存性に達したベースライン時のRBC及び血小板輸血-依存性患者の数及び割合(95%CIを伴う)を、各代替投薬レジメンにおいて、全ての評価可能な患者群及びFAB-規定された低リスク患者群において評価した。治療時にRBC及び/又は血小板に関して輸血非依存性に達したベースライン時の患者輸血-依存性の3種の投薬アーム間の比較は、フィッシャーの正確検定を用いて行った。]
[0138] スクリーニングした患者184名のうち、151名(82%)は適格であり、ITTコホートを構成した(図9)。ベースライン時の患者の人口統計学的特徴及び疾患特徴は、表4に示した。ほとんどの患者は、RA/RARS(57%)又はRAEB(30%)で、及びECOGPSグレード0-1であった(n=129、85%)。このITTコホートの3名の患者は、治験薬を受け取らず、安全性評価集団から除外した(n=148)。合計139名の患者(92%)が、56日以上の治療日を有し、有効性評価集団を構成した。]
[0139] 表4:全てのランダム化された患者(N=151)のベースライン時の患者の人口統計学的特徴及び疾患特徴]
[0140] 全体として、患者79名(52%)が、6治療サイクルを完了した。離脱(n=72)の理由は、有害事象(n=20)、治験担当医の判断(n=16)、意志による離脱(n=14)、AMLへの悪性転換(n=7)、疾患進行(n=7)、治験依頼者の決定(n=3)、死亡(n=3)、及びプロトコール逸脱(n=2)を含む。]
[0141] (血液学的改善)]
[0142] 血液学的改善(HI)(大及び小)を伴う患者の数は、表5に示されている。3種の代替投薬群において、AZA 5-2-2群、AZA 5-2-5群、及びAZA 5群において、各々、患者5名(11%)、3名(7%)、及び5名(10%)が、二系列(bilineage)HIを経験し、並びにこれら3種の代替治療群の各々において患者2名(4%)が、三系列(trileneage)HIを経験した。最初の3サイクル以内に生じたHI開始は、AZA 5-2-2群、AZA 5-2-5群、及びAZA 5群において、各々、患者の87%、88%、及び96%であった(表6)。]
[0143] 表5:IWG(2000)規定された血液学的改善(評価可能な患者)



大及び小HIを含む;患者は、改善の範疇における最良奏効に関して1回のみカウントした。]
[0144] 表6:IWG(2000)規定された血液学的改善の開始]
[0145] (輸血非依存性)]
[0146] ベースライン時にRBC輸血依存性であり、かつAZA治療時に輸血非依存性が達成された全ての評価可能な患者及びFAB低リスク患者の割合は、図10に示されている。RBC輸血非依存性の平均期間は、AZA 5-2-2、AZA 5-2-5、及びAZA 5投薬アームにおいて、各々、135日、138日及び109日であった。輸血非依存性が達成されかつサイクル6の終了時に非依存性を維持していたRBC輸血依存性患者の割合(すなわち、依然達していない期間の輸血非依存性の中央値)は、各々、100%、92%及び63%であった。ベースライン時にRBC輸血非依存性であった評価可能な患者において、評価可能な患者の67%、79%及び68%が、各々、AZA 5-2-2、AZA 5-2-5、及びAZA 5治療アームにおいて本試験期間中輸血非依存性であり続け、かつFAB低リスク患者の、各々、75%、80%、及び64%が、本試験期間中輸血非依存性であり続けた。]
[0147] 5名の患者が、ベースライン時に血小板輸血非依存性であり(AZA 5-2-2 n=2、AZA 5 n=3)、その全員が本試験期間中に輸血非依存性に達した。ベースライン時に血小板輸血非依存性であった患者の、各代替投薬レジメン群の≧92%が、輸血非依存性であり続けた。]
[0148] (安全性及び忍容性)]
[0149] 前述の3種のアザシチジン代替レジメンは一般に、忍容性が良く、患者の大半(52%)は、6治療サイクル全てを完了した。安全性プロファイルは、投薬アーム中で一貫していたが、AZA 5レジメンは、他の2種のレジメンよりも、わずかにより良い忍容性があるように見えた。最も一般的に報告された血液学的AEは、好中球減少症(38%)、貧血(29%)、血小板減少症(24%)、及び白血球減少症(18%)であった。最も一般的に報告された非血液学的AEは、疲労(93%)、悪心(55%)、注射部位紅斑(55%)、注射部位疼痛(54%)、及び便秘(51%)であった。特に関心のあるグレード3及び4の治療に関連したAEを、表7に列記している。]
[0150] 表7:選択されたグレード3/4の有害事象]
[0151] 試験中止につながる少なくとも1種の治療下で発現したAEを伴う患者は、AZA 5-2-2、AZA 5-2-5、及びAZA 5投薬アームにおいて、各々、9名(18%)、10名(20%)、及び7名(14%)であった。中止につながったAEは、新生物(n=8)、全身障害及び投与部位の状態(n=5)、皮膚及び皮下組織障害(n=4)、感染症(n=3)、消化管(GI)障害(n=3)、血液及びリンパ系障害(n=2)、代謝及び栄養障害(n=2)、損傷(n=1)、調査中(n=1)であった。]
[0152] 重篤なAEは、AZA 5-2-2、AZA 5-2-5、及びAZA 5投薬レジメン群の患者において、各々、27名(54%)、19名(40%)、及び15名(30%)で報告された。これらの報告の大部分は、血液又はリンパ系障害(n=19、13%)、感染症(n=31、21%)、及びGI障害(n=12、8%)に関連していた。]
[0153] これらの3種の代替AZA投薬レジメンは、同等の有効性を有し、奏効率は現在承認されたAZA投薬レジメンで認められるものに類似していた。本試験におけるIWG-規定されたHI率は、3種の初期のCALGB試験におけるIWG-規定されたHI率の23%〜36%と比べ、評価可能な患者の44%〜55%の範囲であった。同様に、ベースライン時にRBC輸血依存性であった本試験における全ての評価可能な患者の55%〜63%、及びFAB-規定された低リスク患者の56%〜61%は、本試験時に輸血非依存性に到達したのに対し、承認されたAZA投薬レジメンで皮下治療された評価対象CALGB試験においては患者の45%である。本試験におけるより高いHI及び輸血非依存性の割合は、初期のAZA試験と比べ、低リスクMDS患者のより高い割合の参加を反映しているであろう。]
[0154] そのMOAを基に、AZAは、RNA及びDNAへ取り込まれ始める。DNAの遺伝子プロモーター領域のメチル化は一般に、遺伝子サイレンシングに相関している。癌において、過剰メチル化は、細胞周期制御、アポトーシス、並びにDNA修復及び分化に寄与する遺伝子を含む、腫瘍抑制因子遺伝子の失活の機構である。AZAのDNAへの組み込みは、DNAメチル基転移酵素活性の投与量-及び時間-依存型の阻害を生じ、そのような曝露は、低メチル化されたDNAの合成及び先に休止した腫瘍抑制因子遺伝子の再発現を生じる。]
[0155] 本試験において、HIの開始は、比較的迅速であり、投薬アームにわたる患者の87%〜96%について、最初の3サイクル以内に生じた。本試験において、治療効果の維持は、ベースライン時にRBC輸血依存性であった患者における輸血非依存性の期間持続により明白であった:投薬アームにわたる患者の63%〜100%は、サイクル6の最後に輸血非依存性であった。12ヶ月の維持相が本試験に追加され、この相において、継続する患者は、28日ごとに反復されたAZA 5(75mg/m2/日、SC×5日間)、又は42日毎に反復されたAZA 5にランダム化された。]
[0156] より長いAZA使用(現在推奨される投薬レジメンで9サイクル)は、高リスクのMDS患者におけるAZAの最近報告された多施設共同ランダム化オープンラベル生存試験に関して、試験デザインの前向きな特徴であった。結果は、AZA+BSCは、従来型医療レジメン(例えば低用量Ara-C又は標準化学療法)+BSC又はBSC単独と比べ、生存を有意に延長することを示した。生存は、本試験においては評価されなかったが、WHO-分類ベースの時間依存型の予後スコア化システム(WPSS)は、MDS患者の疾患経過のあらゆる病期でのMDS患者における生存及び白血病進展の予測値として、輸血必要性を確定した。更なる試験は、高リスクMDS患者におけるAZAの連続7日間の投薬により観察された生存の利益が、AZAの代替投薬スケジュールを受けている低リスクのMDS患者へ授けられるかどうかも、解明することができる。]
[0157] これら3種のアザシチジン代替投薬レジメンは全般に、忍容性が良好であり、一貫した安全性プロファイルを伴い、これは承認されたAZA投薬レジメンにより認められたものと類似していた。AZA 5投薬レジメンは、他の代替投薬レジメンよりも若干より良く忍容されることが明らかであったが、これはより頻繁に投与されかつ1サイクル当たりのより高い累積投与量が提供された。より低いAZA用量は恐らくより少なく骨髄抑制するであろう。3種の代替投薬レジメンの相対ベネフィット-リスク比に関する結論を引き出すためには、より多くのデータが必要である。例えば、AZA 5投薬レジメンの有効性は、他の2種のレジメンと同等であったが、ベースライン-依存性患者におけるRBC輸血非依存性の期間は、他の2つの投薬アームよりも若干短かった。最も少ない投与日数により、AZA 5は、最も都合の良い投薬スケジュールをもたらすことができる。]
[0158] 本試験において観察された代替投薬スケジュールの利益は、臨床医が、それらの個々の患者について、都合が良くかつ忍容性のあるAZA治療レジメンをデザインする上で柔軟性を有し得ることを示唆している。]
[0159] (6.3 実施例3)
本試験は、本地域(community)における現在のアザシチジン治療パターンの更なる理解のために、AVIDAに組み入れた患者における利用パターン及び輸血要件、アザシチジンを受けている血液疾患の患者の長期的な(longitudinal)登録を評価し、一般的医療手順及び併用治療を確定し、かつ輸血要件を文書化した。]
[0160] MDSは、無効な造血及び末梢血球減少により特徴づけられた骨髄新生物の不均一群であった。治療の判断は、年齢、全身状態(PS)、血球減少、IPSS分類、及びMDS亜型を基にされることが多い。2、3の臨床試験からの患者-報告された結果は、MDSは、患者の生活の質(QOL)に対し負の作用を有し、正作用を有する治療に応答することができることを示唆している。]
[0161] 第III相試験において、アザシチジンにより治療された患者は、支持療法と比較し、QOLの有意により良い改善を経験した。地域の血液専門診療所(community -based hematology clinic)で治療されたMDS患者のQOLの評価は、よく特徴づけられなかった。アザシチジンは、75mg/m2/日で皮下的(SC)に28日ごとに7日間の投薬スケジュールに関して承認された。しかし臨床の実践において使用されたアザシチジンの用量及びスケジュールは様々であった。AVIDAは、アザシチジンにより治療されるMDS及び急性骨髄性白血病を含む他の血液疾患の患者の自然歴及び管理に関するデータを地域の血液専門診療所から前向きに収集するために設計された、独自の長期にわたる多施設共同患者登録であった。]
[0162] ベースライン時の人口統計学的背景及び疾患特徴は、組み入れ時に得た。用量及び投与、輸血要件、並びに輸血非依存性の開始(56日間にわたり輸血されず、かつアザシチジンの2サイクル以上を受けた)を含むアザシチジン治療パターンが、報告された。]
[0163] 主として低リスクMDSである患者136名(男性95名、女性41名;平均年齢73.7歳)が、AVIDAに組み入れられた;9名の患者はAMLを有した。最初のMDS診断からの時間の中央値は、2.8ヶ月(平均13.8ヶ月)であった。患者の大半(82%)は、原発性MDSを有し、77%は、0又は1のベースライン時全身状態を有した。患者80名(59%)は、RBC輸血歴を有し、かつ患者25名(18%)は、血小板輸血歴を有し;患者47名(35%)は、いかなる輸血歴も有さなかった。治療データは、患者126名について入手可能であった。アザシチジンの合計360サイクル(中央値2;範囲1-14)が、投与された(皮下注射により46%)。最も一般的な用量及びスケジュールは、75mg/m2(81%)が治療時に5日間(53%)であった。利用可能な以前の輸血要件のデータを持つ患者70名は、少なくとも2サイクルのアザシチジンを受け;輸血歴のない患者の81%(22/27)は、中央値4サイクルの後に、輸血非依存性に到達し、かつ輸血歴のある患者の37%(16/43)は、中央値6サイクルの後に、輸血非依存性に達した。]
[0164] 最初のAVIDAからの患者136名のデータを基に、地域ベースの状況(community-based setting)におけるアザシチジン治療パターンの特徴が浮かび上がり始めた。初期のAVIDAデータは、アザシチジン臨床試験に従い、代替投薬レジメンは効き目があること、並びにアザシチジンは、患者の輸血-非依存性の維持又は達成を可能にすることを示唆した。]
[0165] (6.4 実施例4)
本試験は、アザシチジン(AZA)、対、従来型医療レジメン(CCR)による-7/del(7q)を伴う高リスクMDS患者の治療を試験し、かつ全生存に対する効果を評価した。-7/del(7q)は、MDSにおける予後不良に関連づけられている。この分析は、-7/del(7q)を持つ高リスクMDS患者のこの亜群におけるOSに対するAZAの効果を評価した。]
[0166] この第III相試験の主要選定基準は、高リスクのMDS(FABのRAEB、RAEB-T、又はCMML、及びIPSSの中間リスク-2又は高リスク)であった。患者は、AZA(75mg/m2/日×7日間、q28d)又はCCRにランダム化された。CCRは、3種の治療を含む:BSC単独(好中球減少性感染症のための輸血、抗生物質、G-CSF);低用量ara-C (20mg/m2/日×14日間、q28d);又は、導入化学療法(7+3レジメン)。エリスロポエチンは、許可されなかった。]
[0167] ベースライン(BL)時に、全集団の患者358名中57名(30名AZA、27名CCR)が、-7/del(7q)を有し、その35%は-7/del(7q)単独を、及び65%は混成核型の一部として-7/del(7q)を有した。BL特徴は、これら2アームで釣り合っていた:男性70%、年齢の中央値69歳。AZA、対、CCRに関するOSの中央値カプラン-マイヤー差は、8.4ヶ月であり、CCRを上回り有意に改善(3倍)した(表8参照)。このハザード比(HR)は、0.33(95%CI:0.16-0.68)であり、本第III相試験における全ての細胞遺伝学的亜型による、AZA、対、CCRでのOS改善に関するHRの0.58と比べ、AZAアームにおける死亡のリスクが67%低下したことを示していた。2年目に、4倍のOS優位が観察されたのは、CCRアームにおいて8%に対し、AZAアームの生存患者の33%においてであった(p=0.03)。副次的エンドポイントは、このOS優位を裏付けている(表8参照)。有意に高いIWG 2000奏効率(CR+PR)が、AZA、対、CCRで、-7/del(7q)単独の患者(64%対11%、p=0.03)又は混成患者(21%対0;p=0.02)において認められ、IPSSの良好かつ中間の細胞遺伝学を伴う全般的AZA群との比較が好ましかった。AZAは概して忍容性が良好であった。]
[0168] 従来の管理戦略では特に結末が悪い、完全な又は部分的染色体7の欠失を伴う患者は、アザシチジンにより最大の全生存改善を経験し、これは死亡リスクの67%の低下に相当した(ハザード比=0.33)。本第III相亜群解析は、AZAの疾患修飾作用は、-7/del(7q)を含む好ましくない細胞遺伝学的パターンに拡大することを示し、かつAZAは、このそうでなければ予後不良のサブセットに関する治療の選択肢を示すことができることを示唆した。]
[0169] 表8:BL時のRBC-依存性-7/del(7q)患者におけるOS、CR、PR、HI及び輸血非依存性(TI)(n/N,%)]
[0170] (6.5 実施例5)
アザシチジン(azacidine)(AZA)は、完全寛解を必要とせずに、比較的高リスクのMDSの全生存を延長した。]
[0171] 生存を延長する完全寛解(CR)の重要性は、不明であり−MDSにおける臨床バリデーションは欠落していた。この解析は、AZA、対、従来型医療レジメン(CCR)の、AZA-001試験におけるIWG 2000規定された反応の範疇に従い1年生存に対する効果を評価した。]
[0172] FABでRAEB、RAEB-T、又はCMML、及びIPSSで中間リスク-2又は高リスクであるMDS患者が含まれた。患者は、AZA(75mg/m2/日、SC×7日間、q28d;n=179)+最善の支持療法(BSC;輸血、抗生物質、及び好中球減少性感染症のためのG-CSF)又はCCR+BSC(n=179)にランダム化された。CCR+BSCは、以下を含んだ:低用量ara-C(20mg/m2/日×14日間、q29d)、標準化学療法(7+3レジメン)、又はBSC単独。エリスロポエチンは許可されなかった。1年生存率は、IWG-規定されたCR又は部分寛解(PR)、最良奏効としての病状安定性(SD)若しくは血液学的改善(HI)、又は疾患進行(DP)に従い、各アームの全ての治療された患者について、及びAZAサブセットについて決定された。]
[0173] AZAは、CR患者を本解析から除外し、CCRに対し、有意な生存の利益を維持した(ハザード比OS=0.65、95%CI:0.48-0.88)。1年生存率は、AZA-治療患者において、CCR-治療患者よりも有意に高く:各々、68.2%、対、55.6%であった(p=0.015)。IWG 2000の最良奏効により分析される場合、SDを含む全ての反応の範疇は、AZA治療によるOS利益を示した:CR(96.7%)、PR(85.5%)、HI(96.0%)、又はSD(73.3%)のに対し、DPを伴うAZA患者は、1年時点でわずかに28.6%であった。]
[0174] 疾患修飾剤としてのAZAは、IWG 2000最良奏効とは関わりなく、一年OSを改善した。この試験からのデータは、CRの達成は、比較的高リスクのMDSにおける延長された生存に必須の状態ではないことを示す最初のものであった。]
[0175] (6.6 実施例6)
本試験は、AZA、対、LDACを受ける患者を比較する亜群解析において、OS、反応、輸血非依存性及び安全性を評価するために、アザシチジン(AZA)、対、低用量ara-c(ldac)の、比較的高リスクのMDSの患者における全生存(OS)、血液学的反応、輸血非依存性、及び安全性に対する効果を評価した。]
[0176] 比較的高リスクのMDS患者(FAB:RAEB、RAEB-T、CMML;IPSS:中間リスク-2、高リスク)が組み入れられた。ランダム化以前に、治験担当医は、組み入れた患者全員について、3種のCCR(最善の支持療法のみ、LDAC[20mg/m2/日×14日間を28日ごとに≧4サイクル]、又は集中化学療法)の最も好適なものを選択した。その後、AZAにランダム化される場合、患者は治験担当医の選択とは無関係に、AZA(75mg/m2/日、SC×7日間を28日ごとに≧6サイクル)を受け;CCRにランダム化される場合、患者は自身の治験担当医が選択した治療を受けた。全てのレジメンは、試験終了、再発、進行、許容し難い毒性、又はAML悪性転換まで継続した。この亜群解析に関して、OS、血液学的反応(IWG 2000)、輸血非依存性(≧56日)を、AZA群とLDAC群の間で比較した。この亜群解析は、LDAC治療を受けるように治験担当医により選択された患者94名において実行された。ランダム化を通じて、45名はAZAにより、49名はLDACにより治療された。これらの患者群は、両方ともLDAC療法のために選択されたので、両方ともよく合致した。これは、IPSS及びFAB亜型により階層化されたコックス比例ハザードモデルを使用し、ベースラインECOG、RBC輸血、FAB亜型、-7/del(7q)の存在、LDH、及びヘモグロビンについて調節する、治療意図に基づく亜群解析であった。OS中央値は、カプラン-マイヤー法を用いて分析した。赤血球生成促進剤は許可されなかった。全ての患者は、インフォームドコンセントを提出した。]
[0177] ベースライン特性は、これら2治療群間で類似していた。AZAは、中央値9.0サイクル(範囲:1-39)で、LDACは4.5サイクル(範囲:1-15)で投与された。意志による離脱、有害事象、及び進行に起因した、早期中止のより高い割合が、AZA群(39%)と比較して、LDAC群(67%)において認められた。中央値OSは、AZA群及びLDAC群において、各々、24.4ヶ月(95%CI:12.0-34.7)、対、15.3ヶ月(95%CI:13.9-18.8)であり(図13)、9.2ヶ月の差、ハザード比:0.38(95%CI:0.21-068、p=0.001)であった。CR+PR率は、AZA群とLDAC群で、各々、31.1%、対、12.2%であり(p=0.042)、並びにHI(大+小)は、53.3%及び25.0%で認められた(p=0.006)。ベースライン時依存性患者における輸血非依存性は、AZA群とLDAC群の患者において、各々、45%及び13%で認められた(p=0.011)。グレード3-4の血小板減少症及び貧血のより高い割合が、LDAC群、対、AZA群で認められた。試験時の死亡例は、LDAC群でより高く;LDAC群、対、AZA群、各々、59%、対、45%であった。]
[0178] アザシチジンは、LDACと比べ、臨床反応及び輸血非依存性における有意な改善を伴なってOSを有意に延長し、かつ忍容性がより優れていた。アザシチジンは、MDSの比較的高リスク患者において、LDACと比べ、第一次療法とみなされるべきである。]
[0179] (6.7 実施例7)
アザシチジン(AZA)は、国間の治療選択肢の違いにもかかわらず、西欧において、比較的高リスクのMDSにおいて、従来型医療レジメン(CCR)に対し、全生存(OS)を延長した。]
[0180] このプールされた亜群解析は、西欧5ヶ国の全域で治療予備選択を評価し、これにはAZA-001全体の患者集団の70%を組み入れ、これらの予備ランダム化選択が、これらの国々(すなわち、仏国、独国、イタリア、スペイン、英国、スウェーデン、ギリシャ、オランダ)の全域で全体のOS知見の一貫性に影響を及ぼしたかどうかを調べた。]
[0181] 比較的高リスクのMDS患者(FAB-規定されたRAEB、RAEB-T、又はCMML;IPSSの中間リスク-2又は高リスク)に関して、ランダム化以前に、治験担当医は、患者全員について、3種の従来型医療レジメン(CCR:最善の支持療法[BSC]、低用量ara-C[LDAC、20mg/m2/日×14日間、28日ごとを4サイクル以上]、又は集中化学療法[IC、7+3レジメン])から、最も好適な治療を選択した。その後患者は、AZA又はCCRにランダム化した。AZAにランダム化された患者は、治験担当医の選択とは無関係に、AZAを、75mg/m2/日×7日間で、28日ごとに6サイクル以上受け;CCRにランダム化された患者は、彼等の治験担当医が選択した治療を受けた。治験担当医の選択及びOS生存は、西欧の登録した最も高い5つの国、すなわち、仏国、独国、イタリア、スペイン及び英国にわたり、実践パターン別に比較した。]
[0182] 全体で患者252名が、EU 5ヶ国にわたって組み入れられた。治験担当医の選択は、これらの国々にわたって重大な選択の差を示した。仏国と英国からプールされた結果は、AZAへのランダム化につき最終的にAZAを受ける患者26名、及びCCRへのランダム化につきLDACを受ける36名により、LDACに関する最高の予備選択(74%[62/84])を示した。英国、イタリア、及びスペインからプールされた結果は、AZAへのランダム化につきAZAを受ける患者68名、及びCCRへのランダム化につきBSCを受ける69名により、ランダム化前にBSCに関する最高の予備選択(82%[137/168])を示した。仏国を英国(これはLDAC選択が最高であった)と共にプールする生存解析は、AZA群、対、CCR群についてOS優位を示し、これはAZA-001全体のOS解析において認められたものと類似していた。独国、イタリア及びスペイン(ここではBSC選択が最高であった)からの結果をプールする生存解析は、AZA群、対、CCR群について、OS優位を示し、これは全体のOS知見において認められたものと高度に類似していた(表9)。OSの比較は、プールされたLDAC群(仏国/英国、n=36)、プールされたBSC群(独国、イタリア、スペイン、n=69)とに、差がないことを示した:16.9ヶ月、対、16.6ヶ月(HR:0.95;95%CI:0.55-1.62;ログランクp=0.843)。]
[0183] 仏国及び英国におけるLDACに関する、並びに独国、イタリア及びスペインに関するBSCに関する治験担当医の治療選択の選好とは関係なく、AZA群とCCR群の間の中央値OSにおける差異は、統計学的有意性が維持され、かつ治験全体において示されたものと一致した。LDAC又はBSCによる治療は、同等の結末を生じ、生存の利益は無かった。]
[0184] 表9]
[0185] (6.8 実施例8)
急性骨髄性白血病(AML)の高齢患者の有効治療は、依然困難な作業である。AMLの高齢患者は、通常、標準導入化学療法にほとんど反応しない。高齢患者における奏効率は、若年患者の80〜90%と比べ、30〜50%の範囲である。更に、30%程度の高い治療関連死亡率による延長された入院は、この高齢集団において典型である。本発明者らの施設において行った先の後向き解析において、アザシチジンは、年齢55歳以上のAML患者に投与する場合、限定された毒性を伴い、全体で60%の奏効率を示した。]
[0186] これは、60歳以上のAML患者において、アザシチジンを使用する、第II相前向きオープンラベル試験である。選定基準:新たに診断されたAML(新規(de novo)又は続発性、WHO判定基準)、及びECOG≦2。前骨髄球(M3)表現型は除外した。循環する芽球カウントが≧30,000/mclである患者は、<30,000/mclとなるまで、ヒドロキシ尿素により治療した。アザシチジンは、疾患進行又は重大な毒性まで、用量100mg/m2で皮下的に、28日ごとに5連続日与えた。G-CSFは、サイクル1を除いた全てのサイクル期間に、好中球減少症の患者(ANC<1000/mcl)に与えた。]
[0187] 患者8名が、今日まで組み入れられている。患者の平均年齢は、74歳(範囲:64〜82歳)であった。平均ベースラインECOG全身状態は1であり、治療期間の平均は1であった。平均ベースライン骨髄芽球カウントは、53%(範囲:21〜92%)であった。全体の奏効率は75%(6/8):完全奏効(CR;n=2;25%)及び部分奏効(PR;n=4;50%)であった。治療の平均日数は、117日(範囲:4〜247日)であった。療法時の入院の平均日数は、18日(範囲:7〜51日)であり、療法の大半は、外来患者の状況でもたらされた。全ての患者に関する診断からの全生存時間の平均は、180日(範囲:23〜403)であった。レスポンダーに関する平均全生存時間は、200日(範囲:36〜403)であった。3名の患者は、146日間(PR)、153日間(CR)及び247日間(PR)治療を継続した。その他のレスポンダーの1名は、同種PBSCTを受け、1名は絞扼ヘルニアの合併症により36日目に死亡し、1名は82日目に、自宅近くで治療を受けるために、本人が試験から離脱した(確認されないCR)。全ての患者は、本療法の開始時に、赤血球(RBC)輸血依存性であった。今日まで、6名のレスポンダー中2名(33%)が、RBC輸血非依存性となり始めた。4名の患者が、療法の開始時に血小板輸血依存性であり、それらの2名は非-レスポンダーであり、かつ2名はPRを達成した。非-血液学的毒性は、軽度の注射部位の皮膚反応及び疲労に限定され、各々63%(5/8)であった。治療に関係した死亡例は認められなかった。]
[0188] 急性骨髄性白血病の高齢患者への皮下アザシチジンの投与は、実行可能であり、かつ標準導入化学療法に対する忍容性の良い代替法である。]
[0189] (6.9 実施例9)
AEの管理は、治療的利益に到達する前に、AZAの早期中止を防止するために重要である。この分析は、サイクル別のAZAにより最も一般的に報告された(患者の≧20%)AEの頻度、及びAEを改善するために使用された支持療法手段を評価した。]
[0190] 比較的高リスクのMDSの患者(FAB-規定されたRAEB、RAEB-T、又はCMML、及びIPSSの中間リスク-2又は高リスク)が、本明細書に説明された第III相AZA-001試験に組み入れられた。患者は、AZA 75mg/m2/日、SC×7日間、q28日又は従来型医療レジメンにランダム化した。AZA投薬サイクルは、血液学的回復及びAEを基に遅延することができた。予防薬G-CSF及びエリスロポエチンは、許可されなかった。]
[0191] AZAにランダム化された患者179名のうち、175名が本薬物を受け、かつ安全性について評価可能であった(表10参照)。サイクル長の中央値は、34日(範囲:15〜92)であり;AZAサイクルの50%は、遅延せずに(28日間)、27%は35日間、及び23%は35日間より長く、投与された。非-血液学的投与-関連事象(注射部位反応、胃腸)及び血液学的事象を含んだ最も一般的なAEの大部分(≧20%)は、一過性であり(期間の中央値13日間)、重篤でなく、かつ本試験中に消散した。AEの1%未満が、AZAの中止を生じ、かつ代わりに次のAZAサイクルの遅延、併用薬、輸血、及び他の手段により通常管理された。注射部位反応の期間の中央値は、12日間であり;どれも、AZAの調節を生じず、かつ<15%が、併用薬(典型的にはコルチコステロイド及び/又は抗ヒスタミン薬)による治療が必要であった。胃腸事象の大半(95%)は一過性であり、期間の中央値は1〜4日間(下痢、悪心、吐気)又はおよそ1週間(便秘)であった。胃腸事象は、AZAの中止を生じず、かつ併用薬(例えば、制吐薬、緩下薬)によりより一般的に管理された(72%)。ほとんどの血液学的AEは、一過性であり(>86%)、最初の1〜2サイクル時に生じ(期間の中央値は〜2週間)、かつ主にグレード3又は4であった;しかし、患者の10%以下は、入院を必要とするような、好中球減少症、貧血、又は血小板減少症を経験した。血液学的事象の大半は、次のAZAサイクルの遅延(99%)又は貧血(87%)若しくは血小板減少症(29%)のための輸血により管理され;患者の5%未満が、血液学的事象のために中止された。疲労及び発熱の期間の中央値は、およそ1週間であり;これらの事象はいずれも、中止又はAZA用量減少を生じず、代わりに、約5%の患者において、次のAZAサイクルの遅延により管理された。蓄積した又は遅延された毒性は存在しなかった。]
[0192] AZA-001試験における最も一般的なAE(≧20%)の大部分は、一過性であり(期間の中央値は13日間)、重篤でなく、かつ血液学的事象のための用量遅延又は支持療法手段のいずれかにより管理された。患者に最大治療的利益を実現することができるように、臨床医は、これらの事象の開始、期間及び管理に注意を怠ってはならない。]
[0193] ]
[0194] (6.10 実施例10)
MDS発生率は、加齢と共に増大し、結果的に忍容性の不良及び細胞毒性療法の非有効性を考えると、特に75歳以上の患者にとって治療の選択肢は限定される。本明細書に説明された第III相AZA-001試験のこの亜群解析は、75歳以上の患者におけるOS、血液学的改善(HI)、輸血非依存性(TI)、及び忍容性に関する、AZA、対、CCRの効果を比較した。]
[0195] 比較的高リスクMDS(FAB:RAEB、RAEB-T、CMML及びIPSS:中間リスク-2又は高リスク)患者が組み入れられた。全ての患者は、年齢、全身状態、及び合併症を基に、施設の治験担当医により予備選択され、下記の3種のCCRの1種を受けた。:最善の支持療法単独(BSC)、低用量ara-C(LDAC)、又は集中化学療法(IC)。次に患者は、AZA(75mg/m2/日、SC×7日間、q28d)、又はCCRにランダム化された。AZAにランダム化された患者は、AZAを受け;CCRにランダム化された患者は、自身の予備選択された治療を受けた。ランダム化は、FAB亜型(RAEB及びRAEB-T)並びにIPSS(中間リスク-2又は高リスク)を基に、階層化された。赤血球生成促進剤は、許可されなかった。OSは、カプラン-マイヤー(KM)法並びにIWG 2000別のHI及びTIを用いて評価した。ベースライン不均衡を調節するために、コックス比例ハザードモデルを、最終モデルの変数としての、ベースライン時のECOG状態、LDH、RBC輸血回数、Hgb、及び-7/del(7q)の有無と共に使用した。有害事象(AE)は、NCI-CTC v.2.0を用いて評価した。]
[0196] CCRにランダム化されたこの亜群解析における患者の大半は、BSC単独を受け、これは臨床医が本集団において活性治療の使用をためらっていることを示唆している。組み入れられた患者全員(N=358、年齢の中央値69歳)のうち、患者87名(24%)は、75歳以上であった(AZA, n=38、CCR, n=49[BSC, n=33;LDAC, n=14;IC, n=2])。AZA-001全体の結果と同様に、AZAによる治療は延長された生存に関連し、AZA群におけるOSのKM中央値は経過観察の17.7ヶ月に達しないのに対し、CCRのOSのKM中央値は10.8ヶ月であった(HR:0.48[95%CI:0.26-0.89];p=0.0193)。2年目のOS率は、CCR群の15%に対しAZA群の55%が有意に高かった(p=0.0003)(図14)。AZA群のベースライン時にRBC輸血-依存性患者は、TI、対、CCRにおいて2倍以上を達成した:各々、10/23(44%)、対、7/32(22%)、p=0.1386。同様に、AZA群の患者が、大きなHI(大+小)、対、CCRを達成した:各々、58%、対、39%(p=0.0875)。先に報告されたように、AZAは概して忍容性が良好であった。貧血、好中球減少症、及び血小板減少症は、各々、AZA群患者の42%、66%、及び71%で認められたのに対し、BSC単独を優先的に受けているCCR群においては45%、24%、及び39%で認められた。感染症は、AZA患者及びCCR患者の各々、79%及び60%で報告された。AEによる中止は、75歳以上のAZA患者の13%及びCCR患者の8%で生じた。]
[0197] この亜群解析からのデータは、比較的高リスクMDSの75歳以上の患者は、一般に忍容性が良いAZAによる活性治療を受け、有意に延長された2年OSを経験し、死亡リスクが低下したことを示している。]
[0198] (6.11 実施例11)
本解析は、IWG 2000-規定されたCR、PR、又はHI(大+小)により測定される、最初の反応の達成に関連したAZA治療サイクルの回数の中央値を評価するために行った。最良奏効までの治療サイクルの回数も測定した。]
[0199] 比較的高リスクMDS(FAB:RAEB、RAEB-T、又はCMML、及びIPSS:中間リスク-2又は高リスク)を有する患者(N=358)が含まれた。患者は、AZA(75mg/m2/日、SC×7日間、q28d)又は従来型医療レジメン(CCR、n=179)にランダム化された。AZA治療は、血液学的反応とは無関係に、疾患進行(又は許容し難い毒性)まで継続した。赤血球生成促進剤は、許可されなかった。]
[0200] AZA-処置した患者179名のうち、91名(51%)が、CR、PR、又はHIに達した。これらのIWG反応に達した91名の患者に関して、最初の反応に達するまでのサイクル回数の中央値は、3であり(範囲:1〜22)、患者の81%は、6サイクル時点で最初の反応に達しており、かつ90%は、9サイクル時点で最初の反応に達していた。レスポンダーの58%に関して(n=53)、彼等の最初の反応は、彼等の最良奏効であり;残りの42%(n=38)は、次の1〜11治療サイクルにわたり、彼等の最初の反応後中央値およそ4回の追加的治療サイクルで、彼等の反応状態を改善した。]
[0201] AZAによる血液学的反応を達成した多くの患者は、早期治療サイクルにおいて達成したが、継続したAZA投薬は更に患者の反応を改善することができる。AZA-001試験において、有意なOS利益が、中央値9回の治療サイクル(範囲:1〜39)で認められた。継続したAZA治療は好適であり;本試験において、患者は、20回を上回るサイクルで治療された後に最初の反応を達成するように継続され、かつ最初の反応を伴う患者の40%以上は、その後改善された反応を達成した。]
[0202] (6.12 実施例12)
第III相AZA-001治験に組み入れられた患者のおよそ1/3は、RAEB-T(≧20%〜30%芽球)(FAB)であり、かつ現在のAMLに関するWHO判定基準に合致していた(例えば、Blood, 17:3835-49 (1999)参照)。これらの患者における予後不良(生存期間の中央値<1年)及び化学療法に対する反応不良を考慮し、この亜群解析は、WHOAML患者におけるOS及び奏効率に対するAZA、対、CCRの効果を評価した。]
[0203] 本AZA-001治験には、比較的高リスクMDS患者(FAB:RAEB、RAEB-T、CMML及びIPSS:中間リスク-2又は高リスク)が組み入れられた。ランダム化前に、施設の治験担当医が、下記3種のCCR中の1種を(年齢、全身状態、及び合併症を基に)予備選択した:最善の支持療法単独(BSC);低用量ara-C(LDAC)、又は集中化学療法(IC)。次に患者は、AZA(75mg/m2/日、SC×7日間、q28d)又はCCRに引き続きランダム化された。OSは、カプラン-マイヤー(KM)法により評価し、かつIWG AML判定基準(例えば、J Clin Oncol, 21 :4642-9 (2003)参照)を使用し、形態学的完全寛解を評価した。]
[0204] 組み入れられた患者358名中、113名が、WHO AMLの定義に合致し(中央値:芽球23%);患者55名がAZAへ、58名がCCRへランダム化された。AZA群及びCCR群は、ベースライン時に同等の人口統計学的特徴及び臨床的特徴を有した。年齢の中央値は70歳であり、46%は正常核型を有し、60%は3種の血球減少を有し、かつ81%はIPSSの高分類を有した。経過観察のOSの中央値は、20.1ヶ月であった。治療サイクル数の中央値(小-大)は、AZAに関して8(1-39)、BSCに関して6(2-19)、LDACに関して5.5(1-14)、及びICに関して2.5(1-3)であった。OSのKM中央値は、AZA群及びCCR群において、各々、24.5ヶ月、対、16.0ヶ月間であり、ハザード比(HR)=0.47、95%CI:0.28-0.79、p=0.004であった(図15)。2年目のOS率は、AZA群及びCCR群において、各々、50%及び16%、p=0.0007であった。両群間の形態学的完全寛解において、有意差はなかった(p=0.80)。細胞遺伝学的中間型患者におけるOS結果は、CCR群(N=43)よりもAZA群(N=38)に好ましい有意なHRを示した(HR:0.47 [95%CI:0.24-0.91]、p=0.024)が、好ましくない細胞遺伝学を伴う患者においては示さなかった:AZA(N=14)、対、CCR(N=13、HR=0.66 [95%CI:0.26-1.68]、p=0.381。WHOAML患者の結末の測定は、AZAによる有意な利益を示し:CCR群(1.14)に対し、AZA群(0.58)において、患者-年当たりより少ない感染症がIV抗生物質を必要とし(RR=0.51、95%CI:0.29-0.78、p=0.003);並びに、CCR群(4.3/患者-年)に対し、AZA群(3.4/患者-年)において、入院の割合を減少させた(RR=0.79、95%CI:0.62-1.00、p=0.028)。安全性は、先行する報告と一致した。]
[0205] AZAは、WHOAML患者の重要な患者結末における有意な改善を伴い、OSを有意に延長する。]
[0206] (6.13 実施例13)
本解析は、第III相AZA-001試験において、AZA又は従来型医療レジメン(CCR)を受ける比較的高リスクのMDS患者における、OS(何らかの理由による死亡)に関するCR、部分寛解(PR)、血液学的改善(HI)、及び病状安定性(SD)のIWG反応の予測値を評価した。]
[0207] 比較的高リスクMDS(FAB:RAEB、RAEB-T、又はCMML、及びIPSS:中間リスク-2又は高リスク)の患者が含まれた。患者は、AZA(75mg/m2/日、SC×7日間、q28d)又は3種のCCRの1種にランダム化された:最善の支持療法単独(BSC);低用量ara-C(20mg/m2/日×14日間、q28d)、又は集中化学療法(7+3レジメン)。ランダム化は、FAB亜型及びIPSSを基に階層化した。赤血球生成促進剤は、許可されなかった。IWG 2006反応を評価し、かつ4名の国際MDS治験担当医の独立審査委員会(IRC)により判定した。階層化されたコックス比例ハザード回帰モデルを使用し、ハザード比(HR)及び相関した95%信頼区間(CI)を概算した。逐次選択によるコックス比例ハザード回帰を使用し、性別、年齢、最初のMDS診断からの時間、ECOG全身状態(PS)、それまでのRBC輸血回数、それまでの血小板輸血回数、Hgb、血小板、ANC、LDH、骨髄芽球割合、及び細胞遺伝学的-7/del(7q)異常の有無のベースライン変数を評価した。最終モデルは、ECOG PS、LDH、Hgb、RBC輸血回数、及び細胞遺伝学的-7/del(7q)異常の有無を含んだ。各反応、CR、PR、HI、及びSDは、最終モデルにおける時間依存した共変量として、個別に評価した。これらの反応は、反応が開始する時に始まり、かつ反応が終了した時に停止する階段関数として登録した。この反応の経時的なラグ作用(lag effect)を調べるために、解析は、6ヶ月間延長された反応最終日に繰り返した。]
[0208] 合計358名の患者が含まれた(AZA n=179、CCRn=179)。AZA群及びCCR群におけるIRC-決定されたIWG奏効率は、各々、CRに関して16%対3%(p<0.001)、PRに関して1%対0%(p=0.46)、HIに関して36%対11%(p<0.001)、及びSDに関して74%対75%(p=1.00)であった。AZA対CCRの反応の期間の中央値(日間)は、有意に長く、CRに関して156対87;PRに関して217対N/A;HIに関して241対169;及び、SDに関して257対174であった。全ての結末CR、PR、HI、及びSDは、OSを高度に予測した(全ての比較に関してp<0.001)。CR及びPRに関して、ハザード率(rate)は、0であった(すなわち、CR又はPR時に生じた死亡例なし)。HIに関して、HRは0.03であり(95%CI:0.00-0.20)、SDに関して、HRは0.15であった(95%CI:0.10-0.23)。6ヶ月のラグ解析に関して、HRは、CRに関して0.25であり(95%CI:0.08-0.81)、p=0.021;ハザード率は、PRに関して0であり;HRは、HIに関して0.28 であり(95%CI:0.17-0.48)、p<0.001;並びに、HRは、SDに関して0.41であった(95%CI:0.30-0.57)、p<0.001。]
[0209] AZA対CCRに関して、CR及びHIの有意に高い割合が、並びにCR、PR、HI及びSDの有意に長い期間と共に存在した。CR及びPRの従来の反応は、これらの比較的高リスクMDS患者における延長されたOSの絶対的なエンドポイントではなかった。]
[0210] (6.14 実施例14)
予備的(preparative)レジメン用量強度は、再発/不応性のAML/MDSの結末を改善することに失敗することが多い。HSCT後の支持療法は、同種移植片-対-白血病作用のための「アジュバント」を提供することができ、かつ再発の尤度を低下させることが可能である。AZA維持は再発率を低下させるかどうかの評価を開始するために、本試験は、最も安全な用量及びスケジュールの組合せを決定する第I相臨床試験に関与していた。]
[0211] 第1段階の完全寛解(CR)ではないAML又は高リスクMDSであり、年齢又は合併症のためにアブレーション(ablative)レジメンの候補ではない患者が適格であった。馴化レジメンは、ゲムツズマブオゾガマイシン2mg/m2(-12日目)、フルダラビン120mg/m2、及びメルファラン140mg/m2であった。移植片対宿主疾患(GVHD)予防は、タクロリムス/ミニ-メトトレキセートであった。無関係のドナーHSCTのレシピエントは、ATGを受けた。本試験は、4種のAZA用量で行った:毎日8、16、24及び32mg/m2×5を+42日目に開始、及び28日サイクルで1〜4回(スケジュール)。結末-適応法を使用し、用量及びスケジュール(サイクルの回数)の両方を決定した:患者は、本治験において先に治療した全ての患者からのデータ(臓器及び血液学的毒性)を基に選択した用量/スケジュール組合せに割り付けた。ドナーキメラ現象を伴い、グレードIII/IVのGVHDを伴わず、血小板>10,000/mm3及びANC>500/mm3である移植日+30日にCRである患者は、AZAを受け取るのに適格であった。長散在反復配列(long interspersed nuclear elements)(LINE)のメチル化状態を、パイロシークエンス法により解析し、AZAを受けた患者38名の単核細胞における総DNAメチル化の代理マーカーとして、使用した。]
[0212] 患者80名が移植を受けた:44名(56%)は、AZAを受けるのに適格であったが、2名の患者は拒絶し、かつ患者42名(4名は非常に初期)が、用量及びスケジュールに割り付けられ、本薬物を受けた。AZAの88サイクルは、8(n=患者7名)、16(n=5)及び24mg/m2(n=患者21名)、並びに32mg/m2(n=患者9名)で送達された。AZA-関連した(又は恐らく関連した)毒性は、グレードI/II又はIIIの血小板減少症(n=5、MMF及びシロリムスとの関係、n=2)、グレードIの悪心(n=5)、グレードIIの疲労(n=2)、グレードIIIのトランスアミナーゼの上昇(n=1、薬物が、ポサコナゾール及びペンタミジンと組合せて投与される場合)、結膜の紅斑(n=1)、掻痒(n=1)、グレードIの錯乱(n=2)、網膜出血(恐らく予め存在していたが、1サイクル後の薬物離脱をもたらした)、グレードIIのクレアチニン上昇(n=1、複数の腎毒性薬剤の状況)、口内潰瘍(n=1)、乳頭浮腫(n=1、薬物と関係があるかどうかどうかは不明)、及び肺出血(n=1;2回目のHSCTを受け取る患者は、初回AZAサイクル時に、真菌性肺炎及び肝静脈閉塞症(VOD)を有し、血小板減少症及び出血に発展することがわかった)。可逆的血小板減少症は、32mg/m2によりより頻繁に記録された。感染症は、以下であった:菌血症、n=5;肺炎又は他の呼吸器感染症、n=6;クロストリジウム・ディフィシル(C. difficile)-関連の下痢、n=2;VREコロニー形成、n=2;ポリオーマ-関連出血性膀胱炎、n=1;インフルエンザ/パラインフルエンザ、n=2。]
[0213] 急性又は慢性GVHD発生に対する効果の適応は存在しなかった。2種のAZA(16及び24mg/m2)の際に、患者は再発した。ほとんどの患者は、AZAの開始時に100%ドナーキメラであった。生存患者の経過観察の中央値は、13ヶ月間(範囲:3〜31;n=26)であった。患者12名が死亡し、そのうち8名が再発、2名がGVHD、1名が肺炎、及び1名が原因不明であった。+100日目の非-再発性死亡率は、6%であった。患者4名は、HSCT後最初の100日以内に死亡し:2名は再発で、1名は肺炎で、1名はGVHDであった。実際1年間、無事象及び全生存は、各々、58%及び72%であった。平均LINEメチル化の結果は、図16に示している。総メチル化に統計学的に有意に影響を及ぼす用量は認められなかった。本治験デザインは、用量32mg/m2及び最大サイクル回数に到達した(n=4)が、血小板減少症は、次の用量レベル(40mg/m2)への増量を妨害した。]
[0214] 32mg/m2のAZAは安全であり、かつ合併症を伴う重度に予備治療された患者の集団へ、少なくとも4サイクルで投与することができる。安全性プロファイルは、より長い期間の投与は調査にメリットがあることを示唆している。本試験は、AML又はMDSの同様の高リスク患者に関する、最良の標準医療(すなわち支持療法なし)に対する1年間のAZAのランダム化比較試験の開始を、裏付けている。]
[0215] (6.15 実施例15)
本試験はアザシチジンで治療されるある種のMDS患者(例えば比較的高リスクのMDS)における、遺伝子メチル化のバイオマーカー及び延長された生存を評価する。低メチル化は、アザシチジンの作用の分子機序であると考えられ;従って、特定の遺伝子のメチル化状態の作用、及び遺伝子組合せの作用に関する研究が実行された。DNAメチル化及びRNAメチル化の両方は、可能性のあるバイオマーカーと考えられた。]
[0216] ベースラインDNA及び/又はRNAメチル化レベルは、全生存(OS)に加え、遺伝子プロモーターメチル化レベルと治療(例えばアザシチジン若しくはCCR)の間の相互作用に影響を及ぼすかどうかを調べるために、試験を行った。メチル化は、MDS又はAMLにおいて先に評価された5種の遺伝子に関して決定した:定量的実時間メチル化特異的PCR(qMSP)を使用し、臨床試験に組み入れられた患者の治療前骨髄穿刺液中の、CDKN2B(p15)、SOCS1、CDH1(E-カドヘリン)、TP73、及びCTNNA1(α-カテニン)。OSに対するメチル化の影響は、コックス比例ハザードモデル及びカプラン-マイヤー(KM)法を用いて評価した。]
[0217] これら5種の遺伝子の分析に十分な核酸を有する患者の数(アザシチジン及びCCRに関して)を決定した。CDKN2B、SOCS1、CDH1、TP73、及びCTNNA1に関するメチル化は、患者の特定の割合で検出した。これらの治療アーム間のメチル化レベルの差異を決定した。アザシチジン治療に関するOSの利益を、これら5種の遺伝子でのメチル化が陽性及び陰性である患者について決定した。メチル化の存在が、CCR群におけるOSの改善(良好な結末の予後判定指標)に関係するかどうかを決定した。何らかの効果の存在及び大きさを、アザシチジン群と比較し、これはDNA及び/又はRNAメチル化と治療の間の相互作用を示唆し得る。]
[0218] OS改善は、これらの5種の遺伝子のいずれかのメチル化を伴う患者において、アザシチジン治療で評価し、メチル化に関する死亡のHRを決定した。特定の遺伝子のメチル化の頻度は、メチル化レベルのOS及び治療効果に対する影響の試験を可能にした。例えば、特定の遺伝子に関して、より低いレベルのメチル化は、メチル化が存在しない場合と比べ、アザシチジン治療からの最長のOS及び最大のOS利益に関連していた。メチル化レベルのOSに対する影響は、IPSS細胞遺伝学的亜群(良好、中間、及び不良)の各々で評価することができる。例えば、メチル化のOSに対する影響は、死亡リスクが最大であるような「不良」リスク群において最強であることができる。]
[0219] このようなデータ及び解析は、例えばより低いレベルのメチル化を伴う患者は、アザシチジンからより大きい利益を引き出し得ることを指摘している。分子バイオマーカーは、MDSにおいて、例えば疾患予後の指標及び後成的治療に対する反応の予測指標として、重要であることができる。]
実施例

[0220] これらの実施例は、多くの実施態様を参照し具体的に示されかつ説明されているが、本明細書において明らかにされた様々な実施態様に対し形状及び詳細の変更を行うことができること、並びに本明細書において明らかにされた様々な実施態様は、「特許請求の範囲」の限定として働くことを意図されないことは、当業者には明らかであろう。本明細書に引用された全ての特許、刊行物、及び他の参考文献は、それらの全体が引用により本明細書中に組み込まれている。]
权利要求:

請求項1
比較的高リスクの骨髄異形成症候群を有する患者にシチジンアナログの治療有効量を投与することを含む、比較的高リスク骨髄異形成症候群の治療方法。
請求項2
前記比較的高リスクの骨髄異形成症候群が、国際予後判定システム(IPSS)において中間リスク-2若しくは高リスクであるか、又は芽球過剰性不応性貧血、移行期芽球過剰性不応性貧血、又は10〜29%の骨髄芽球を有する慢性骨髄単球性白血病である、請求項1記載の方法。
請求項3
前記シチジンアナログが、5-アザ-2'-デオキシシチジン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン、5-アザ-2'-デオキシ-2'-フルオロシチジン、2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン、シトシン1-β-D-アラビノフラノシド、2(1H)ピリミジンリボシド、2'-シクロシチジン、アラビノフラノシル-5-アザシチジン、ジヒドロ-5-アザシチジン、N4-オクタデシル-シタラビン、及びエライジン酸シタラビンからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
請求項4
前記シチジンアナログが、5-アザシチジンである、請求項1記載の方法。
請求項5
前記シチジンアナログが、皮下投与される、請求項1記載の方法。
請求項6
前記5-アザシチジンが、75mg/m2/日の量で28日ごとに7日間投与される、請求項5記載の方法。
請求項7
前記シチジンアナログが、経口投与される、請求項1記載の方法。
請求項8
シチジンアナログによる治療のために骨髄異形成症候群と診断された患者を選択する方法であって、比較的高リスクを有する骨髄異形成症候群と診断された患者を評価すること、及び該患者の骨髄異形成症候群が比較的高リスクを有するとして評価された場合に、5-アザシチジンで治療する患者を選択することを含む、前記方法。
請求項9
前記比較的高リスク骨髄異形成症候群が、国際予後判定システム(IPSS)において中間リスク-2若しくは高リスクであるか、又は芽球過剰性不応性貧血、移行期芽球過剰性不応性貧血、又は10〜29%の骨髄芽球を有する慢性骨髄単球性白血病である、請求項8記載の方法。
請求項10
前記シチジンアナログが、5-アザ-2'-デオキシシチジン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン、5-アザ-2'-デオキシ-2'-フルオロシチジン、2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン、シトシン1-β-D-アラビノフラノシド、2(1H)ピリミジンリボシド、2'-シクロシチジン、アラビノフラノシル-5-アザシチジン、ジヒドロ-5-アザシチジン、N4-オクタデシル-シタラビン、及びエライジン酸シタラビンからなる群から選択される、請求項8記載の方法。
請求項11
前記シチジンアナログが、5-アザシチジンである、請求項8記載の方法。
請求項12
前記シチジンアナログが、皮下投与される、請求項8記載の方法。
請求項13
前記5-アザシチジンが、75mg/m2/日の量で28日ごとに7日間投与される、請求項12記載の方法。
請求項14
前記シチジンアナログが、経口投与される、請求項8記載の方法。
請求項15
比較的高リスクの骨髄異形成症候群を有する患者にシチジンアナログの治療有効量を投与することを含む、比較的高リスクの骨髄異形成症候群を有する患者の生存を改善する方法。
請求項16
前記比較的高リスク骨髄異形成症候群が、国際予後判定システム(IPSS)において中間リスク-2若しくは高リスクであるか、又は芽球過剰性不応性貧血、移行期芽球過剰性不応性貧血、又は10〜29%の骨髄芽球を有する慢性骨髄単球性白血病である、請求項15記載の方法。
請求項17
前記シチジンアナログが、5-アザ-2'-デオキシシチジン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン、5-アザ-2'-デオキシ-2'-フルオロシチジン、2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロシチジン、シトシン1-β-D-アラビノフラノシド、2(1H)ピリミジンリボシド、2'-シクロシチジン、アラビノフラノシル-5-アザシチジン、ジヒドロ-5-アザシチジン、N4-オクタデシル-シタラビン、及びエライジン酸シタラビンからなる群から選択される、請求項15記載の方法。
請求項18
前記シチジンアナログが、5-アザシチジンである、請求項15記載の方法。
請求項19
前記シチジンアナログが、皮下投与される、請求項15記載の方法。
請求項20
前記5-アザシチジンが、75mg/m2/日の量で28日ごとに7日間投与される、請求項19記載の方法。
請求項21
前記シチジンアナログが、経口投与される、請求項15記載の方法。
請求項22
アザシチジン治療後改善された全生存を得る増大した確率を有する、骨髄異形成症候群と診断された患者を同定する方法。
請求項23
前記患者の核酸のメチル化レベルを分析することを含む、請求項22記載の方法。
請求項24
前記核酸が、DNAである、請求項23記載の方法。
請求項25
前記核酸が、RNAである、請求項23記載の方法。
請求項26
より低いメチル化レベルが、アザシチジン治療後に改善された全生存を得る増大した確率を示す、請求項23記載の方法。
請求項27
CDKN2B(p15)、SOCS1、CDH1(E-カドヘリン)、TP73、及びCTNNA1(α-カテニン)から選択される遺伝子のメチル化レベルを分析することを含む、請求項23記載の方法。
請求項28
前記アザシチジン治療後に改善された全生存を得る患者の増大した確率が、患者のアザシチジン治療を計画又は調節するために使用される、請求項23記載の方法。
請求項29
前記増大した確率が、10%大きい可能性である、請求項22記載の方法。
請求項30
前記増大した確率が、50%大きい可能性である、請求項22記載の方法。
請求項31
前記増大した確率が、100%大きい可能性である、請求項22記載の方法。
請求項32
前記増大した確率が、200%大きい可能性である、請求項22記載の方法。
請求項33
骨髄異形成症候群と診断された患者の延長された生存に対する遺伝子メチル化の影響を評価する方法。
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